秋の青空とエマグラム

更新をサボってるうちにすっかり秋の雰囲気。ちょっと暑い気はするけど。そして今日の午前中は秋らしく空が高く感じるステキな青空でした。

この青空を運んできてくれたのは、もちろん移動性高気圧。関東から見るとちょっと中心が北にズレてたけど、今日山に登ってた人は本当にステキな景色が見れたと思う。あぁうらやましい…。

低気圧は上昇流が卓越してるのと反対に、高気圧は下降気流が卓越。
特に勢力の強い移動性高気圧は下降気流が強く、上空の塵や水蒸気が少ない綺麗な澄んだ空気が地表付近まで下りてきてるから”いかにも秋!”な澄んだ空になるって仕組みです。

この澄んだ空を”見る”ことができる資料が、ラジオゾンデによる高層気象観測のデータを使ったエマグラム。

縦軸に高度&気圧、横軸に気温を描いて高度ごとの変化がとても分かりやすい資料で、説明は気象庁のサイト内にもあるけど・・なんと、エマグラムそのものは掲載されてないという悲しい状況だったりします。
≪ラジオゾンデによる高層気象観測@気象庁≫

そんな時にとってもありがたいのが気象会社のSunny Spot
「観測・情報」の中にエマグラムが掲載されてます。

そして今日(21日)朝の輪島のエマグラムがこちら。

縦軸が高度&気圧。横軸が温度で、赤線が気温、青線が露点温度になってます。

今日のエマグラムで注目すべきは700hPa、高度約3000mの赤矢印のとこ。
基本的に対流圏の中は高度が上がるにつれて気温は下がるので、エマグラムの気温線(赤線)は左斜め上にのびてるのが普通の姿。
でも700hPaのとこでは高度が上がると気温も上がる層があって、これが“逆転層”と呼ばれるところ。この逆転層を境にここより上空は露点温度(青線)がぐっと低くなり、非常に乾燥してることが分かります。

この700hPaにある逆転層は“沈降性”の逆転層で、高気圧の下降気流によって乾燥断熱昇温した上空の空気と、下層の空気の境目。
登山者目線でいくと、この境目より上が景色がスッキリクッキリな山の空気。この境目より下がモヤっとした下界の空気ってとこです。

しっかりした移動性高気圧がくる春と秋に起きやすいこの状態。
街中で今日は空綺麗だな~と見上げたり、山で今日は遠くまで見えて凄いな~と思った時、気が向いたら天気図と衛星画像、そしてエマグラムも眺めてみてください。

前に書いた≪春の高気圧その2≫の時もちょうどそんな雰囲気の時でした。エマグラム確認してなかったけど…。

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