次はどっちだ!? 雪vs雨の闘い再び

関東の雪の予報には「どれだけ“水分”が降るか(降水量)」と「どれだけ雪になるか(気温)」を両方ピタッと当てる必要があり、それは今の予報技術じゃかなり難しい。
そんな話を少し前に書きました。(宇宙から見る関東の大雪

1/18は「結構降りそう×気温低そう=大雪!」な予想がピタッと当たった事例。

でも、その一週間後の1/23には「少しだけ降りそう×気温は低い=サラッと雪」の予報が「ほとんど降らず×気温低い=チラッと雪」な結果となり外しています…。

そして今週。
またもや金曜(1/29)~日曜(1/31)にかけて関東一帯の天気予報関係者を悩ます事態になってます。
こちらが1/28と29の予想天気図
fsas24_20160127
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1/28には九州の西海上に停滞前線ができ、1/29には前線の上に低気圧が発生。
そして低気圧は東に進み、南岸低気圧が関東付近を通過。
そんな予想になってます。

で、何が降るかが大問題。
今の段階では「平地は雨主体、標高が高いとこは雪たっぷり」が本命の予想。
でも、今の予想より気温が少し下がって再び大雪!に化ける可能性も十分ありえる状況です。
このなんともハッキリしない気持ち悪い状況を、どう世の中に伝えるかが天気予報関係者の悩みのタネであり、腕の見せどころ。

気象庁の1/27夕方の予報では、お天気マークだけ見ると傘ばっかり。
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傘マークをじぃ~っと見つめ続けるとぼんやり雪だるまが見える・・・なんてことはありませんが、ちゃんと予報文を見ると東京の天気も『雨か雪』になってます。
foca_week_20160127

傘か雪だるまかの天気マークだけでなく、どこの人がどんなことを言うか。
ズバッと勝負に出るか、様々な可能性を絞りきれずにフワッとした表現にするか。
週末にかけての天気予報ではそんな葛藤も楽しんでもらえればと思います。

そして一番大事なのは、雪の予報はハズレやすい!を忘れないこと。

降ったらどうするか、降らなかったらどうするか。
この週末はふた通りの過ごし方を考えておくことをオススメします。

今のところ弱気な予報士より・・・

西高東低の“高”に注目!

冬に何度も耳にする「西高東低の冬型気圧配置」という言葉。
字があらわす通り、日本の西(大陸)に高気圧―日本の東(太平洋上)に低気圧。
そして天気図では間隔の狭い等圧線が縦じま模様、というのが冬の定番です。

冬に大陸にできる高気圧(シベリア高気圧)は、内陸で猛烈に冷えて重くなった空気によってできる高気圧。
天気図の上ではあまり動かず、いつ見ても同じようなとこにいるのが特徴です。
また、高気圧の強さ(気圧の高さ)はどのくらい大陸に溜まった寒気が強いかの目安にもなります。

この週末に西日本中心にかなりの寒波が来るぞ!とニュースになってるけど、今朝(1/23 9時)の天気図で大陸にある高気圧を見てみると中心気圧はなんと1076hPa!
冬になると1060hPa台の高気圧はよくできるけど、1080hPa級というのは文句なしの一級品です。
(それにしてもカラー版の解像度、もうちょっとどうにかならないのかなぁ)
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この寒気が流れ込む1/25にかけて、日本付近は綺麗な冬型の気圧配置に。
天気予報でも鹿児島まで雪だるまが登場するなど西日本は本格的に荒れる予想です。
最新の気象情報なども参考にご注意を!
fsas48_20160123-00
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今週末は寒い!ただし来週末は…

今日(1/21)の昼前、気象庁が強い冬型の気圧配置と低温に関する全般気象情報を発表しました。
“全般気象情報”というのは「全国的に○○な状態になるから注意・警戒してね」を伝えるための情報です。
今回は『23日から25日頃にかけて、強い寒気が入って冬型の気圧配置が強まりそう。西日本中心に大荒れになって太平洋側でも雪が積もるかも。』といった内容。

まだ少し先の話なんでザックリした内容の全般気象情報しか出てませんが、メインイベントの前日くらいになると各地方・各府県でそれぞれ細かい見通しを書いた地方気象情報や府県気象情報が出ます(全般気象情報のページで地方or府県を選択すると見れます)。
テレビなどの天気予報で「これから荒れますよ」と呼びかけてる時にはこういった情報が出てるはずなのでぜひチェックしてみてください。

さて、やっと冬らしくなって雪好きとしては嬉しい話ばかりですが、午後には一転して悲しいお知らせも出ています。

それは高温に関する異常天候早期警戒情報

異常天候早期警戒情報とは「1週間後から2週間後にかけて、平年とはだいぶ違うことが置きそうですよ」という場合に出す情報です。(内容のわりに情報の名前が物騒すぎる気がしてならないけど)
そして今回、その内容は“高温”。
早い話が、『一番寒くなる時期なはずだけどあまり寒くならなさそう』ということ。
せっかく冬らしくなったのに・・・。

雪がどうなるかとやきもきする雪好き以外も、寒暖の差が激しくなりそうなので体調管理にはご注意を。
具体的な天気や気温の予想は週間天気予報をどうぞ。

そして、下の図は1週間の気温が平年からどれだけ高い/低い傾向かを予想した資料です。
1/27頃からグイッと上がる気温が怖すぎる…。
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専門天気図@HBCなどのサイトにある週間予報支援図(FZCX50)で見ることができるので興味のある方はどうぞ。
詳しい見方はきっとそのうち。

宇宙から見る関東の大雪

1/17夜から1/18朝にかけて関東で大雪になって世の中を騒がせたのは皆さまご存知の通り。
どこにどのくらい積もったのか知りたくなるのがお天気好きの性だけど、悲しいことにあまり雪が降らない関東には気象庁のアメダス積雪計はポツポツとしかありません。
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リアルタイムだとウェザーニュースのウェザーリポートが楽しいけど、後から見れないのがちょっと残念。
そこで、積もった深さが分かるわけじゃないけど、どこに積もったがよくわかる資料のご紹介です。

まずは気象衛星ひまわり
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可視画像を動画で流すと、関東平野に全く動かない怪しい白い影が。
霧もほとんど動かないけど、ここまで全く変化がないってこともない。
これはきっと雪だ!
でも、悲しいかな気象庁サイトに掲載されてる解像度だと拡大してもよくわからない。

そこで衛星好きにオススメなのがNICTのひまわり8号リアルタイムWeb
ひまわりのフルディスク画像をほぼリアルタイム&高解像度で見れる素敵すぎるサイトです。

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これならかなりクッキリ!
宇宙から見たらこんな感じと思うとぜひ一度は生で見たくなる。

さらに、ひまわりよりさらに細かい解像度250mメッシュを誇るMODIS@JAXAをチェックしてみると…

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高解像度と見たいものを見やすく波長帯&配色を調整してるMODIS画像では関東平野の積雪状況が本当にくっきり!
群馬と栃木から関東南部にかけて帯状の積雪域があるのがよ~く分かります。
なんでこんなV字型の分布になったか、その理由はgoogleマップの地形から探ることができます。
kanto-map

雪は標高の高いところじゃなくて、むしろ標高の低い川沿いな分布。
これは地表付近に溜まった冷たくて重い空気、“滞留寒気”(滞留冷気とも)の仕業です。
夜間&降水で冷えた空気が地表付近に溜まり、その冷たい空気がある場所では雪が解けずに雪のまま降ることに。
そして、関東平野の東側で全然雪が積もってないのは比較的暖かい海からの北東風が入ってたから。
海風がはいる場所だと雪は落ちてくる途中で解けて雨になっちゃいます。
東京~横浜の沿岸部も少し積もってたはずだけど今日の南風で溶けたかな?
都市部過ぎて分かりにくいって理由もあるかもしれないけど。

関東の雪予想ではこの滞留寒気ができるかどうか、そしてどれだけ広がるかの判断が非常に重要だけど、ここが猛烈に予想が難しいポイントです。
素直な感触として、予想が当たるとホッとするくらいの難易度。
今回の大雪でも朝起きて雪が積もってるのを見たとき「よっしゃ!」と思いました(笑)

関東の大雪予報の難しさについては、気象庁サイトの予報が難しい現象について(太平洋側の大雪)にまとめてあるんで細かく知りたい方はぜひどうぞ。

言い訳っぽくなるけど、関東の大雪予報がピタッと当たらないのは今の天気予報技術の限界です。
気象庁やテレビの天気予報で「関東で大雪になるかも」という情報を見たら、とりあえず備える。
もし降らなくても「今回はラッキーだったな」と思ってもらえればありがたいです。

逆に「今回は大丈夫なはず」で大雪になった場合は…反省しつつしっかり解析&振り返って次に活かすんでご容赦を!

冬の遭難事故報道をみる前に

昨日(1/12)、野沢温泉スキー場@長野と裏磐梯猫魔スキー場@福島でそれぞれ遭難騒ぎがありました。NHKニュース@野沢温泉猫魔スキー場
当日はそんなに荒れた天気というわけではなかったようですが、冬はガスや降雪による視界不良で簡単に道に迷う季節。
特に移動速度の速いスキーやスノーボードはなおさらです。

さて、この手の冬の遭難ニュースで毎回気になるのが「コース外」「バックカントリー」「立ち入り禁止区域」といった言葉たち。

この意味と違いをよく分からないままニュースにしているのをよく目にします。
その見事なまでの典型例がこの共同通信による記事で、引っかかりまくるのが以下の一文。

一行は12日に同県北塩原村の裏磐梯猫魔スキー場を訪れ、“バックカントリーと呼ばれる場外の立ち入り禁止区域”に入り、進路を見失ったとみられる。

知ってる人からすれば『バックカントリーがなんで立ち入り禁止区域の滑走と同じなんじゃ!!』と吠えたくなるとこですが、知らない人からすれば『またダメなとこ入って迷惑かけた奴がいるのね』と捕らえられてしまうこの表記。
お願いだから記事として扱うなら少しだけ勉強してからにしてほしいと思わずにはいられない。

何がどう違い、何が問題なのか、日本でパウダーコースの最先端を行く(と僕は思ってる)シャルマン火打スキー場の中の人が分かりやすく解説しているのでぜひご覧ください。

中の人マンガ<その1>「バックカントリー」について
中の人マンガ<その2>コース外滑走について

↓こんな感じです

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スキー場のリフトを使ってスキー場の上や裏にあるバックカントリーエリアに入るという行為は、スキー場にとってはどちからというとあまりオススメしたくない使い方。
でも、最近はパウダーを滑りたいという嗜好がどんどん広まり、非圧雪コースを売りにするスキー場も増えてきてます。
そして、パウダーの素晴らしさを知ってしまうとさらにその先、スキー場を飛び出てバックカントリーの世界に行きたくなる人も。

そんな大自然の中で滑るという素晴らしいスポーツへの協力として、『うちのリフトを使ってバックカントリーエリアに入るのはまぁOKにしとくよ。でももちろん技術と装備はしっかり整えて、登山届も出しといてね。』あたりが多くのスキー場のスタンスなのかなと思います。
そして、そんな人たちにどうやって知識と技術、そしてモラルを啓蒙していくかに頭を悩ませているのが現状かと。

今回の遭難事故がどんな行動の元に起きたのかはニュースだけではハッキリしないので、何が悪かったのかはここでは書けません。

ただ、スキー場の中にいる気分と装備でスキー場脇の滑走禁止エリアをチョロチョロして事故を起こすというのが一番してはいけないことなのは間違いありません。

以上、自戒を込めて。

なんてことを書いてたら、無性にシャルマンに行きたくなりました…。
しっかりした管理の元、できる限り“滑走禁止エリア”を減らして自然の山に近い形で滑ることを目指したスキー場。
ホントに楽しいところなので中級以上の方はぜひ!
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2016年の初モノ(雪と…台風?)

あまり冬っぽくない今シーズンですが、今日(1/12)は東京で初雪となりました。(NHKニュース
冬の関東はなかなか「気温が低い×降水がある」の条件を同時にクリアしにくく、雪の遅い早いはかなり偶発性の高いイベントです。
雪が降るか降らないかだけでも難しいのに、さらにどのくらい降るか&積もるかの予想は猛烈に難しく、しかも世の中への影響はかなり大!
そんなわけで冬に南岸低気圧がくると関東エリアの予報担当者はドキドキしながら資料と実況をにらみつけることになります。
今回みたいに明らかに降水が少ない場合は、どんなに悪くても雪が舞う程度なのであまり心配することはありませんが。
(初回は“初雪”になるので緊張感5割増)

もうひとつ気になる2016年の“初モノ”が台風。
ここ数日、太平洋のド真ん中にいるハリケーン“パリ”がどこに行こうかフラフラする状態が続いてます。
日本の天気図衛星画像の端っこにもその姿がチラリと(下図中、赤丸)。
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IR_20160112-0900

台風とハリケーンどちらも“発達した熱帯低気圧”で、気象現象としてはまっく同じもの。
場所が変われば名前が変わる、それだけの話です。

ただし、名前と共にその台風/ハリケーンの担当者が変わるというのも重要な点。
北太平洋のうち東側(西経域)はハリケーンとしてハワイにあるアメリカの気象局(CPHC)が担当、西側(東経域)は台風として日本の気象庁が担当しています。
そしてハリケーン“パリ”の現在の位置は西経170度よりちょっと西側。
もう少し西に進んで西経180度=東経180度のラインを跨ぐとハリケーンから台風に看板を架け替え、日本の気象庁のお仕事になります。

最新の予報ではゆっくりと、本当にゆっくりと西に進む(かも)といった状況。
近いうちに台風第1号ができました!というニュースがあるとすればコイツですが…無いかなぁ。

hurri-forecast_20160111-1700

2015年12月の天候

いまさら感たっぷりだけどあけましておめでとうございますm(__)m
今年こそは思ったことを吐き出しまくるべく頑張ります!

今年の初詣は新潟の小ぶりな名峰、弥彦山の山頂でしてきました。
新潟エリアですら悲しいまでの雪の少なさだけど、標高634m(スカイツリーと一緒!)の8合目あたりからはさすがに雪道歩き。
軽くではあったけど初の元旦登山ってことで幸先のいいスタートになりました♪

そんな暖冬感たっぷりな正月明けの1/4には、気象庁による月頭の恒例イベントである前月の天候が出てます。(今回は2015/12が対象)

どんな12月だったかというと、肌感覚通り『やたらあったかかった12月』のヒトコトに尽きます。
東日本ではなんと統計開始(1946年)以降、一番暖かい12月だったとか。そりゃ雪も無いわけだ(涙)
temp201510-12

これは来るぞ!と期待してた今週末の寒気も次第にトーンダウン。
最新の1ヶ月予報でも相変わらず冬将軍はやる気なし。
冬型にはなるけどあまり長続きしないため、平年よりも気温高め&雪少なめになる予想となってます。
もはや今年の冬はこんなもんだと諦めたほうがいいのかもしれません・・・