御嶽山噴火を振り返って

昨日の9月27日で、多くの被害者が出た御嶽山の噴火から丸2年。
現地では追悼式などが行われました。
<御嶽山噴火から2年 追悼式で遺族などが黙とう@NHKニュース>

2年たって御嶽山噴火の記憶が薄まってたとしたら、こんなとき振り返るにはwikipedeiaがやっぱり優秀。
<2014年の御嶽山噴火@wikipedia>

wikipediaはあくまでも事実を整理してるだけなので、登山者として考えるには遭遇した人の体験談がかかせません。
そこで、山岳ガイドである小川さゆりさんの体験記が長野県山岳協会サイトに掲載されているのでまだ読んだことがない人はぜひ。
<小川さん手記「御嶽山噴火に対する思い」@長野県山岳協会>

この小川さんを含め、多くの登山者と救助活動に携わった方の体験記をまとめたのが山と渓谷者の『ドキュメント御嶽山大噴火』として発行されてます。
噴火が起きた現場で何が起きてたかを知り、登山者として火山に向き合うには必読の書と思うのでまだ読んだことがない人はぜひ。
もし自分が現地にいたら、と想像しながら読むとゾッとします・・・。

続いて、NHKがまとめたサイト『御嶽山「噴火の証言」』は、地図上に証言と写真を配置。
ある登山者の足取りを追いかけたり、時系列で証言を進めたりできて、より具体的な行動をイメージしやすくなってます。
スマホからも見れるけど、地図と重ねて見れるパソコンからの閲覧がオススメです。
<御嶽山「噴火の証言」@NHK>

そして最後にもう一冊、御嶽山の噴火を考える上で外せないのが信濃毎日新聞社の『検証・御嶽山噴火 火山と生きる―9.27から何を学ぶか』。
登山者だけでなく、救助、自治体、地元住民、気象庁、火山学者、報道、そして家族のそれぞれの立場から見た御嶽山噴火をまとめた非常に読み応えのある本です。

登山者はもちろん、何らかの形で火山に縁のある人が読めば、火山についてより深く向きあえることは間違いなし。
ちょっとボリュームのある本ですが、ぜひ手にとってみてください。

もし、登ってる山が噴火したら。

もし、目の前で倒れた人がいたら。

もし、一緒に登ってる友人や家族が倒れたら。

どうするのが正解なのかは分からなくても、少し想像しておくだけで危険に対するセンサーがしっかり働いてくれるはずです。

登山をする前に、その山がどんな山なのか。
火山であれば、どんな状態にあるのか。
<火山登山者向けの情報提供ページ@気象庁>も参考に心の準備もお忘れなく。

ちなみに、現在の技術水準では精度よく噴火を予知することはできません。
特に御嶽山のような噴火としては小規模な噴火ならなおさらです。
どんな情報も「安全情報」ではなく、危険を知るための情報としてお使いください。

最後に。

一般的な報道では「噴火災害」と表現されてるけど、ぼくは「噴火事故」だと認識してます。
あくまでも人が自ら山の中に入り、たまたま噴火という自然現象に遭遇してしまった結果なので。
被害の規模は違えど、山の中で雷に遭った、と同種のものかと。

登山者でない人から見れば確かにこれは災害で、登山者を守らなきゃ!となるのは仕方ない。
でも、登山者として考えると、山が元々持つリスクのひとつとして認識し、自ら身を守る手段を考えておかなきゃいけないんだろうなと。
綺麗、楽しい、オススメ!だけが前面に出される傾向にある山ブームに対する自然からの警告だったような気もします。

自然の素晴らしさと同時に、自然の厳しさも忘れちゃいけない。

山好きの一人として、そして防災情報を発信する立場にある者の一人として。
犠牲者の冥福を祈ると共に、山文化のさらなる発展を願ってます。

秋の天気予報のハズレ方

今週末は久しぶりに日差しが戻りそう。何しよう!と期待してた人も多いはず。(ぼく含む)
ただし、相手は秋の停滞前線。
なんとなく嫌な予感はしてました・・・。

特に今年は秋雨前線がハッキリクッキリ、そして見事な停滞っぷり。
梅雨と同じく天気予報が非常に難しい、そしてハズレやすい状況です。

22日に作成した2日後(つまり今日、24日)の予想天気図がこちら。fsas48_20160924-21日本の東にある低気圧から延びる前線は短くなり、日本付近の前線は不明瞭化。前線の名残りが本州の南にあるけど天気はそれなりに回復。そんな予想でした。

ところが・・・

こちら、23日に作成した翌日(こちらも今日、24日)の予想天気図がこちら。上の天気図と同じ時刻を予想した天気図です。fsas24_20160924-21消えてるはずの前線がしっかり表現され、さらに思いっきり本州にかかる予想に。
当初の予想より前線がハッキリ残る&場所も少し北側になりそう、の2つの変化からかなり予報が悪目に変わってしまいました。
前線から離れてる順にこんな感じ
 北陸:晴れるよ!→少しは晴れるはず
 中部:そこそこ晴れるよ→やっぱ晴れそうにないです…
 関東~東海:少しは晴れるよ→むしろ雨、ごめんなさい!!
fore_20160924-05

予想が変わったのは停滞前線の不確実性といってしまえばそれまでだけど、もう少し具体的に見つけるならこれから近づくトラフ(気圧の谷)が思ってたよりハッキリしてるってことになりそう。
水蒸気画像で西から近づく黒い部分がそのトラフです。wv_20160924-0500

停滞前線がダラダラと居座る中、こうしたトラフが近づくと前線は活発化&少し北上し、時には低気圧が発生することも。
この仕組みは季節を問わず、停滞前線の定番です。
今年の梅雨の実例⇒<梅雨の天気予報のハズレ方>

救いとしては、トラフが抜けた明日こそはそこそこ天気が回復しそう。
そして、前線がある=日本付近で夏と秋の高気圧が押し合いしてるおかげで、台風17号は日本に近づくことができず南の海を西に素通りしそうってこと。t1617_20160924-03

念のため最新の天気予報を確認しつつ、予定の立て直しをお願いします・・・。

山梨でテント泊BBQを考えてた我が家もこの悪天と、チビすけの発熱というWパンチであえなく予定変更。
どっちも仕方ないもんだと諦めてます・・・。

黒部渓谷(下ノ廊下)で小規模地震多発

今年の8月から富山県東部で小規模地震が頻発してるというこちらのニュース。富山で小規模地震、1週に200回超@J-CASTニュース

地震としての規模はごく小さく、火山(弥陀ヶ原@立山)との関連性は無しということで地元でも扱いはかなり軽そう。
ローカル新聞社のニュースも共同通信全国版の垂れ流しでそれ以上の報道はしてないみたい。

ま、今の富山はダメダメすぎる市議会議員ネタ一色で仕方のないことかもしれませんが…。
上記J-CASTの記事で「市議会にお怒りか」なんてネタにされるのも納得するしかない。
富山LOVEなぼくとしてはこれだけ評判を落としてくれたジーサマ・オッサン方に怒りしか感じません。
今後、他の地方議会でも同じような話がいくらでも出てきそうな予感。

ってのはさておき、本題の地震ネタ。

「富山県東部で小規模地震多発」ならサラッと読み流してもいいけど、これが「黒部渓谷(下ノ廊下)で小規模地震多発」ってタイトルなら気になる登山者も多いはず。

この地震多発情報のソースは富山地方気象台が9/16と9/20に続けて発表した地震解説資料です。

要約すると
・2016/8月末から黒部湖の北側でごく小規模(M2以下)な地震が頻発
・近くにいる人は地震を感じることもあるかも(山の中すぎて、近くに震度計無し)
・弥陀ヶ原@立山の火山活動は変化なく、直接の関係なし
って内容。

解説資料には地図ものってるけど、わかりにくいのでgoogleマップヤマタイム@ヤマケイから周辺地形&地図を。quake-kurobe01

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地震が頻発してるのはちょうど十字峡の西側、雲切新道~仙人新道と下ノ廊下に囲まれたエリアです。
(解説資料の地図は尾根・谷が逆転して見えちゃうのはぼくだけ・・・?)

そして解説資料にある震源の深さの分布もチェック。
quake-kurobe02
右側が震源がどの深さに分布してるかの図だけど、震源はほとんどが2kmより浅く、深さ0kmのラインにも赤点がビッシリ。
気象庁の震源は海水面(標高0m)を基準に深さを決めているので、これは標高0mより上にも震源が広がってることを示してます。

このあたりは谷筋で標高1000m、稜線に上がれば2000m級。
震源の分布は稜線の走向と一緒ってわけでもないんで、“山(尾根)の内部”で起きた地震ではなく“地面の中”で起きた地震ってことでよさそう。

地震としてはごく小さいけど、震源が登山者の足元のごく浅いところなので近くにいると多少揺れを感じる可能性は十分にありそう。
このあとの地震活動がどうなるかは分からないけど、付近を通る際は揺れと落石には十分ご注意を。

あいにく地震や地質の専門家ではないんで、残念ながらこれ以上のことは分かりません。

ちなみにこのエリア、ぼくも昔一度だけ縦走しました。
黒部渓谷鉄道の欅平から入り、水平歩道~雲切新道~剱沢を通って、最後に剱岳&立山に登って室堂に下山。
切り立つ岸壁を削りとって作った水平歩道、ダム施設の中を通る“登山道”、剱岳が美しい(はずの)仙人池(ガスで見れず…)、そして剱沢の大雪渓と変化に富んで面白いルートでした。

宇奈月温泉に始まり、ルート上に阿曽原温泉、仙人温泉、地獄谷温泉と温泉がいっぱいあるのもこのルートの贅沢なとこ。
開いて間もない雲切新道の登りはかなりキツかったけど、それも地元小屋番の方の努力の結晶です。
雲切新道について@阿曽原温泉小屋

展望のいい稜線歩きってわけじゃないけど、黒部を味わうには面白いコースなので興味のある方は調べてみてください。
下りルートを歩く人の方が多いらしいけど、どうせなら登るルートのほうが楽しいんじゃないかなぁ。
ちなみに、水平歩道はこんな感じの緊張感ある道が続くので間違っても高いとこが苦手な人にはオススメしません!

「黒部では怪我をしない」とはよく言ったもんです・・・。
どー見ても落ちたら怪我じゃすまない絶壁歩きが続きます。
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台風16号、伊勢湾を揺らす

非常に強い勢力で上陸した台風16号。
雨風ともにさすがの威力でした・・・。
そのあたりの話題は各種メディアで豊富に流れているので、今回はちょっと違う視点からのネタをひとつ。
前回の台風の目の話に続き、台風と潮位についてです。

沿岸部に住んでない人はほとんど気にしてないだろうけど、台風接近時の注意警戒事項として毎度おなじみの「高潮」。
台風によって潮位が上がる理由としては大きく3つ。
・気圧低下による吸い上げの効果
・強い風による吹き寄せの効果
・高波の打ち寄せの効果
があるのは前回も書いた通り。

この台風による高潮の影響が最悪な形で出たのが有名な「伊勢湾台風」。
記録的な強さで紀伊半島に上陸、名古屋などの伊勢湾沿岸で大規模な高潮が発生して甚大な被害が出た台風です。
詳しくは伊勢湾台風@wikipediaをどうぞ。
伊勢湾台風がどのくらい凄かったのか、現代の台風情報風に再現したこれも面白いアイデア。

そして今回の台風16号。
台風が上陸した近くの鹿児島県志布志の潮位データがこちら。tide-map_minamikyushutide-shibushi_20160920-1tide-shibushi_20160920-2

台風の通過によって普段より潮位が約100cm上がったけど、干潮の時刻に重なったたので潮位的にあまりたいしたことがないレベル。
もしかすると急な潮位変化(=潮流が激しい)による影響はあったかもしれないけど、他の地点でも台風による高潮としての影響はあまり大きくなかったようです。

続いて、ず~っと東に目を向けてみると、面白い変化をしてたのが名古屋の潮位データtide-map_tokaitide-nagoya_20160921-1tide-nagoya_20160921-2

台風が通過した20日の昼頃から潮位が上がっただけでなく、台風が通り過ぎたあとも今日にかけて潮位はグネグネと変動。
名古屋と同じく伊勢湾沿いの鳥羽の潮位データではこのグネグネがもっと綺麗にひとつの“波”として見えます。tide-toba_20160921-1tide-toba_20160921-2

この20日から21日にかけて続いた潮位変動の正体は「副振動」。
どんな物体も揺れやすい周期である「固有振動」を持っていて、なんと「湾」や「港」のような巨大な物体(?)も同じように揺れやすい周期を持ってます。
台風のように大きくて強い力で伊勢湾全体の潮位がグッと変化したあと、ゆっくりと揺れながら収まっていった、そんな現象です。

綺麗なひとつの波として変化をした鳥羽に対して、名古屋はギザギザした形。
おそらく伊勢湾全体の副振動に、もう少し小さな湾か港の副振動が重なってこんな変動をしたんだろうなと。

今回は台風という一度の“入力”で起きた波が収まっただけだけど、湾や港の固有振動に一致して共鳴がおきると副振動はどんどん大きくなることも。

この共鳴型の副振動で有名なのが九州西岸の「あびき」。
東シナ海の気圧変動によって発生した潮位変動が地形の複雑な湾の中で共鳴&増幅し、なんと数十分で何メートルも潮位が急変する現象です。

詳しくはあびきとは@長崎地方気象台をどうぞ。

実際に「あびき」が起きたときの長崎港の状態がこちら。
知らない人が見たら津波か!?って思うくらい海が激しく動いてます。

「あびき」については現地にいないとまず関わることはないだろうけど、世の中にはこんな不思議な自然現象もあるんだな~と思ってもらえればネタにしたかいがあるかなと。

ちなみにこの「あびき」、かなり派手な現象なのにまだ予測するだけの技術はありません。(もしかしたら起きるかな・・・?くらいの段階)
自然には人類の知識が及ばない現象がまだまだいっぱいです。

与那国島データで見る台風16号の目

予報円の大きさでも世の中を賑わせている台風16号。
ニュースでご存知のとおり、昨日(9/17)の昼頃には思いっきり与那国島を直撃してます。(衛星画像レーダー@気象庁)
vis_20160917-1100rad_20160917-1100

与那国島には気象庁の観測要素が一通り揃ってるけど、台風が通過したときの時間変化が“これぞ台風の目!”といった感じで見事だったのでちょいとグラフ化。
元データは気象庁の過去のデータにある10分値を使ってます。
yonaguni-10m_20160917
台風の目に入ったのは11時前後。
目の中では気圧がなべ底状になって風もひと段落。
通過時には最盛期を過ぎてパッチリ目ではなくなってる&細かく見るとギリギリ眼に入ったくらいなので、ちょっと風は残ってるけど見事に対照的な変化傾向です。

ついでに与那国島にある潮位計のデータがこちら。
yonaguni-tide_20160917yonaguni-tide2_20160917

台風の気圧低下による“吸い上げ効果”で元々の潮位である天文潮位から約70cm潮位が上昇。
気圧1hPaは1cm分の水圧に相当するので、台風による気圧低下の60hPaちょっとにほぼ一致。
(台風による潮位上昇は吸い上げ効果以外にも風による吹き寄せや波の打ち寄せによる効果があるけど、島みたいなところでは吸い上げがメイン)
この潮位上昇が満潮と重なると高潮になるけど、今回は幸い満潮時刻とは少しずれたので高潮としての影響はほとんどなかったかと。

このようにいろんな面で教科書的な台風の目といった現象でした。

そしてこの後の台風16号。
このくらいの緯度まで北上してくると偏西風に乗ってスピードアップ&進路も安定するのが一般的だけど、今回は偏西風の強風域がまだ北に離れてて流れに乗れず。
仕方なくトボトボと東に進むため特に進行速度の予想幅が大きく、その結果こんな巨大な予報円になってます。t1616_20160918-12

台風の前後も前線が絡むせいでしばらくスッキリしない(そして猛烈に予想しにくい)天気が続きますが、これも秋の宿命だと思って最新の情報をご利用ください・・・。

どうやって台風予報をしてるかの話もそのうちネタにしようと思うのでのんびりお待ちください。
(今年の台風シーズンが終わる前には書きたいなぁ)

読書ノススメ ~タモリ倶楽部編~

9/9のタモリ倶楽部は気象庁内にある本屋さん、津村書店が登場。
お天気好き以外にも見た人が多いと思います。

正真正銘“気象庁の中”にある本屋さんなのでちょっと手続きがいるけど、職員以外の人も利用可能。
津村書店以外にも普通に利用できる施設として、気象庁の広報施設である気象科学館や食堂(大手町としてはかなりの安さ、味は…あまり期待せずに)、意外なところでは吉野家もあったりするんで興味のある人はぜひ一度訪れてみてください。
受付で上記の中のどれか、「●●に行きたいんですけど」と伝えると入館証(要返却)を渡してくれます。
あと、こっちは団体(5名以上)かつ予約制になるけど気象庁の見学名所:予報現業室の見学もできるんで気になる人は見学案内をどうぞ。

さてさて、それでは気象の専門書がズラリと並ぶ津村書店からどんな本が紹介されたのかを見てみます。

まずトップバッターはテレビの天気予報でもおなじみ、ひまわり8号を扱った『ひまわり8号 気象衛星講座』。

ひまわり8号がどう進化して何ができるのか、そして衛星画像の使い方をまとめた本。
むしろ、衛星画像の使い方のテキストとしての色の方が濃い一冊。

衛星画像について勉強するぞ~!と燃える人なら買ってもいいと思うけど、最大のネックはそのお値段。
発行部数が少ない専門書の宿命とはいえ、ちょっと気軽に買える額じゃないです。
タイトルにひまわり8号を冠してはいるけど、運用開始後まもなく発売された本なので掲載してる事例・動画が前ひまわり世代の物が多いのもちょっと物足りない点。

そこで衛星画像について勉強したいって人にとりあえずオススメなのが、気象庁内の組織である気象衛星センターがまとめたテキスト『気象衛星画像の解析と利用』

平成12年刊行と古い本だけど、衛星画像の利用の基礎は今も変わってません。
基本となる「可視画像」「赤外画像」「水蒸気画像」について学ぶにはこれでも十分。
何よりタダ!(PDF形式でダウンロードできます)

さすがに時代が時代なんで白黒だしちょっと画像も荒いけど、衛星画像の使い方について勉強してみたい人は目を通して損はない内容です。
もうちょっと肩の力を抜いて見たい人は、巷にいっぱいあるカラー写真たっぷりの一般書を手に取った方がいいかと。
あとはひまわりリアルタイムWebあたりで日々の衛星画像と天気図を眺めるのみ!

続いて出てきたのは日本の気象学のバイブルである『一般気象学』。
大学や職業として気象に関わる人で知らない人はいない一冊です。(持ってるかどうかは別)

ただ、絶対に間違えてはいけない注意点として…お天気について勉強してみたいな、といったノリで最初に手に取る本ではありません!!

そんなことしたら序盤から心がへし折れること間違いなし。
あくまでも大学基礎レベルの『気象学の教科書』であることを忘れずに、まずは本屋でパラパラっとめくってから買うかどうかを決めましょう。
間違っても勢いでアマゾンでポチったりしないように。

木原さんが一般気象学の代わりに教科書として使っていたという『新・天気予報の手引』は…しっかりと読んだことがないのでノーコメントで。

そして最後に登場したのが『天気図の散歩道』。

天気図についてなるほど~なことからトリビア的なネタまで天気図愛に溢れる1冊。
これぞまさしく天気図マニアの天気図マニアによる天気図マニアのための本で、こちらもお天気入門時に手に取る本じゃないです。
でも、天気図の概要がわかってから読むと本当に面白い本なので、ぜひ読んでみたい本リストに加えておいてください。

以上の4冊がタモリ倶楽部で紹介された本。
さすがタモリ倶楽部、どれもお天気入門として最初に手に取る本にオススメはできませんw

そこで最後に、天気・気象について勉強したいと思った時に何を読めばいい?な話を少し。

気象予報士関連も含めて本屋の自然科学・気象コーナーに行けば気象の本はかなりの量があります。
手にとって自分の好みに合った本を…というには多過ぎる量。

その中で、ぼくがお天気入門への最初の本としてオススメするなら『史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本』になります。

オススメする理由は以下のとおり。

まずは見た目。
全ページカラーで写真・図が豊富なこと。
やっぱり綺麗な方が最初にイメージを掴みやすいのはまちがいなし。
写真・図が多いというのは“最初の1冊”には欠かせない要素です。

そしてもちろん内容も。
広い守備範囲をちゃんとした項立てがあるのがナイス。
この本はこんな構成になってます。

第1部 天気図を読み解こう
 第1章 天気図と衛星画像
 第2章 日本の四季
第2部 天気予報ができるまで
 第1章 データ観測と解析
 第2章 天気予報の発表
第3部 地球の気象を知ろう
 第1章 大気現象のしくみ
 第2章 環境問題と異常気象

天気図と衛星画像で日本全体のざっくりとした四季を知り、観測を含め天気予報がどうやって作られるかを知り、最後にその背景として“気象学”を少し学ぶ。
実際に読んでみて、なかなかうまい構成だと感心しました。

特に第2部では「気象予報士ってどんな仕事?気象予報士 岩谷さんの1日に密着!!」というコーナーがあり、実際の気象予報士の活動が詳しく載っているのはこの本の大きなオススメポイントです。

予報の基礎となる観測についてもちゃんと扱っているのも好印象。
特に予報士試験を意識した本だと観測はあっさりしてることが多いけど、お天気好きとしては観測と予報の両方を知っておいたほうが理解が進みやすいと思います。

「環境問題と異常気象」が最後になってるのもぼくの好み。
ここをやたら煽って基本となる話のスペースが奪われてる本も結構ある気がするので・・・。

「山の天気」の本についても紹介したいとこだけど、山の天気も普段の天気も基本は同じ。
一般的な天気の応用編として山の天気がある、そんな感じです。
だから、一般的な天気を理解せずに山の天気を理解しようとするのは無駄に難易度を上げるだけ。
まずは普段の生活で身の回りの天気から考えるクセをつけると、山の天気のスキルも自然に上がってきます。

そんなわけで、お天気・気象について勉強してみたいけどどうしたらいいのやら??な人は、ぜひ本屋で一度手に取ってみてください。

「山の天気」についての本の紹介もそのうち。

【追記】
津村書店では実店舗のほかにも通信販売も対応!
気象庁のマスコットキャラ「はれるん」の各種グッズも買えちゃいます。
天気の御守りとして山のお供にいかがでしょ?

※ご利益の有無については一切不明です