20161009-10鳳凰三山

予想通り前半はイマイチ&後半はそこそこだった3連休、後半の10月9日~10日で鳳凰三山に行ってきました。
初日は青木鉱泉からドンドコ沢で滝見→鳳凰小屋でテント設営→身軽になって地蔵岳
2日目は直接観音岳に上がって御来光→中道から下山、こんな行程。houou-map

南アルプスに登るたびにうんざりする森林限界の高さだけど、今回みたいに天気が悪いときはプラスに作用。
9日は寒冷前線の通過で午前中は雨&前線通過後は北風がちょっと強めに吹く予想だけど、午前中は樹林帯を登ってる最中だから多少軽減される環境。
沢沿いルートってことで土砂降りになるとちょっとした沢の増水が怖いけど、寒冷前線の雨は長続きしないのでどんなに悪くても多少足止め&雨宿りすれば済む話。
そして鳳凰小屋も稜線より東側に下った樹林帯の中だから風の心配もそんなにいらない。

このあたりを考えての鳳凰三山でした。まだ行ったことなかったし。

計画を練る上で肝になるのは雨の降るタイミング。
今回の雨の原因となった寒冷前線はメリハリがしっかりした現象で、予想しやすい(=予報の精度が高い)現象です。
こちら、上から順に10月9日の朝9時を2日前に予想した天気図と、1日前に予想した天気図と、当日の実況天気図。そして同時刻の衛星画像。
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北海道の東にある低気圧&そこからのびる寒冷前線の位置は予想でも実況でもほとんど違いがなく、前線通過(=雨)の予想がぴったりだったことがわかります。
(※台湾の近くにある台風19号は強さの予報が大ハズレ。台風の強度予想は進路以上に難しいです・・・)

ただし、ここでいう「ぴったり」というのは天気図で見るような大きな天気の流れについてであって、雨の降る時間が10分や1時間の精度でピッタリ合ったというわけではないことにはご注意を。
今回の雨も思ったよりは降りだし&降り終わりが早かったかなといった感触で、1~数時間程度の時間的なズレはあって当たり前な誤差の範囲内です。
このため、あちこちで目にする“ピンポイント予報”という名前で垂れ流されてるコンピューターの計算結果だけを鵜呑みにした計画は絶対にオススメできません。

天気予報における天気図は、登山における地図と同じ。
あらかじめ広い目でおおまかな状況を把握しておかないと、少しでも道をそれた(予報が外れた)時にまったく応用が効きません。
最低限、予報とセットで実況天気図&予想天気図はチェックするのを強くオススメします。

そんなわけで、鳳凰小屋に着いた昼には雨はすっかり上がって天気は回復傾向。
後述の想定外な事態にちょっとやる気を削がれつつも地蔵岳&オベリスクへ。
登れそうだったら登りたいな~と狙ってたけど最後の岩だけはしっかりクライミングの領域。
ぼくのスキルじゃ頑張って登っても安全に降りるのは厳しかったので素直に撤収。
ちょっと残念だったけど、山で見る雲の多い空もなかなかいいもんです。houou08

そして、テントで夜を明かした翌日(10日)は予想どおりの好天。
満天の星空を仰ぎつつ出発し、雲海の中にたたずむ八ヶ岳や富士山、雲海から昇るご来光、朝日に染まる北岳、鋭くそびえる甲斐駒ケ岳、と周囲の山々を一望する贅沢な時間を過ごせました。
今回のルートだと稜線歩きが短いのがちょっと残念だったけど、天気がホントによかったのは朝だけだったからちょうどよかったのかも。
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ちなみに、この日の関東はそれなりに晴れ間もあるって予想だったけど実際にはどんより曇り空な1日。
9日に本州を通過した寒冷前線が南の海上で停滞前線として足を止める、という予想はあってたけど、思ってた以上に前線の雲域が北に広がる結果に。
8・9日がダメなら10日に、と順延になってた運動会も多かったようなので間違っても雨にならなかったことが幸いでした・・・。spas_20161010-12vis_20161010-1200

最後に、今回もっともハズれた予想といえば、鳳凰小屋テン場のシステム。
3連休とはいえ、前半が雨でつぶれての連休だったからそこまで酷い混雑にはならないだろうと踏んでました。
しかし!
鳳凰小屋のテン場は限られたスペースに最大限人が入れるよう、小屋番の方の指示に従い着いた人からギュウギュウに詰め込んでテントを張っていくシステム。
その結果どうなったかというと、ぼくを含め早めについた人はテン場の奥で前室も満足に張れないような寿司詰めっぷり。
そして夕方近くなってからきた人は手前の広々スペースを満喫という「なんだかなー」な状態に。
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連休の人気エリアとはいえ、もうちょっと不公平感を軽減する工夫が欲しかったというのが素直な感想。
奥から順番に張らせるにしても、ギュウギュウ状態にするのは手前のスペースが埋まってからでもよかったんじゃないかなと。
今回は友人と一緒だったからよかったけど、ソロでツェルト泊なんてしたらあまりのスペースの無さに地獄を見た可能性大でした。
鳳凰小屋でのテン泊を計画している人はご注意を。

そろそろ秋を感じる3連休

10月だというのに今日も関東を中心に30度越え。
ほんとに暑いっ!temp-kanto_20161006-1200
こんな日には「今年の秋はこないのか?」なんてことを聞いてくる人もいたりするけど、ちゃんと秋の気配は近づいてるのでご安心を。

ためしに一足お先に秋を感じてる北海道の気温を見てみると・・・tem-hokkaido_20161006-1700
さむっ!
秋を通り越して冬の気配すらする寒さ。なんでこんなに寒いかというと、実は台風18号の置き土産だったりします。

暖かい空気の塊だった台風18号は、昨日(5日)の夜に温帯低気圧への変身が完了。
温帯低気圧は進行方向の前面に南からの暖かい空気を、後面には北からの冷たい空気を運びこむ構造です。
この低気圧が北海道の東に進み、ちょうどグイグイと冷たい空気を引きずり込んでるのが今の状況。spas_20161006-15

これを数値予報の資料で見てみたのがこちら。
今日(6日)の9時と21時、それぞれの850hPa(上空約1500m)の気温の変化です。fxfe_20161006-00

朝には北海道の北側にあった0℃のラインが夜には北海道の南まで一気に南下していて、なかなかの寒気移流です。
このくらいの気温だと標高が高めの峠では雪が積もるとこもありそうで、少し前には「そろそろ北海道に冬が来るから準備してね」な気象情報も発表されてたり。<雪に関する北海道地方気象情報@札幌管区気象台>

ただ、今回の寒気が影響するのは北海道が中心で、関東以西にはあまり関係ないため厳しい残暑が継続中。
でも、週末になると本州にも秋の雰囲気がただよいそうな予感が。

こちら、8日の予想天気図と、8~10日の上空の数値予報資料。左が500hPa(上空約5500m)の大気の流れ、右が850hPa(上空約1500m)の気温を示してます。
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8日に日本海にある2段の前線&低気圧をもたらすのは500hPaに赤線で引いたこのトラフ(気圧の谷)。
この前面では南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線は活発になって全国的に雨模様。
9日になるとこのトラフ&低気圧は東に抜けて西から次第に天気回復、そんな予想です。

そして注目はこのトラフの前後で気温がどう変わるか。
8日にはトラフの前面で北に膨らんだ9&15℃のラインが、トラフが抜けた後の9~10日にはグッと南に押し下がる予想。
この南下した寒気はしばらくそのまま居座りそうで、週間予報を見ても10日あたりからはだいぶ暑さが落ち着いた予想気温が続いてます。
もちろん山も気温がグッと下がるわけで、この週末以降は本格的な寒さ対策が必要になってきます。

8日は天気が悪いので9日(後半)から10日の行動を柱にプランを組むのがオススメ。
10日も日本海側に面した山はちょっとした寒気移流で風当たりが強い&天気の回復が遅れそうなので、北アルプスの中でも南寄りの山や中・南アルプスあたりだとキリッとした空気に包まれた好天を味わる可能性が高そうです。
まだまだ体の寒さ耐性ができてない時期なので特に念入りな防寒対策でどうぞ。

そんなぼくも9~10日で南アルプスに出没予定。
紅葉がきれいだといいなぁ。