関東の「北東風 晴れ」予報には要注意

なが~い見事な秋雨がやっと一息ついた今日。太陽をちゃんと拝むのもホントに久しぶり。

「…って気分を今日の午後には味わえそうですよ」な雰囲気を醸し出してた昨日(17日)の天気予報。
実際にはどうだったかというと、確かに雨は昼頃で終わったけど午後もなかなか雲が取れずに日差しはおあずけ。
あれ?話が違うぞ…と思った人もいたんじゃないかと。

この17日夕方(16時)の雲を見ると、関東の南海上に広がるしっかりした雲と、関東平野に広がる少し不明瞭な雲に別れてました。

南の雲は前線に対応する厚い雲。関東平野の雲は地表付近の北東風と少し上空の空気の境目に広がる薄くて低い雲。

ここで大事なポイントは、南の雲は数値予報が表現するのが得意な雲で、関東平野の雲は数値予報の表現が甘い雲ってこと。

関東平野に北東風が入り込んでる時に、予想してなかった薄ぺっらい雲が広がるってのは関東の晴れ予報がハズレるときのお決まりパターンのひとつ。
担当者は北東風の存在&曇る可能性は把握した上で、北東風の強さや各層の湿り具合をチェックして「今回は素直に晴れるはずだ!」と決断しての晴れ予報。
…なんだけど、読みが外れることもしばしば。
今回もそんな典型例の1つでした。

南関東で「北東風&晴れ」な予報が出てるときは、ホントに晴れるかな~と空を見上げてもらうと天気を楽しめると思います。アメダス&衛星画像も合わせて使うと楽しさ倍増。

ちなみに、予報になかった北東風は天気も気温も大ハズレを告げる〝不吉の風〟。
少し前の10月11日は完膚なきまでに凹まされるこっちのパターンでした…。

秋の日はつるべ落とし ※特に山の中!

10月になって高山帯は紅葉の真っ盛り。この連休も各地の山好きが秋を満喫してるみたいですね。
秋の青空と鮮やかな紅葉のコラボ、これぞ四季のある日本の山の特権!
そんな景色を拝めた人が本当にうらやましい!
ぼくはというと、なんでこんな天気の日に仕事をしてるんだろうと悲しくなる時間を過ごしてます・・・。

そんな愚痴はさておいて。

秋分の日を過ぎて、日の出の遅さと日没の早さを日々実感するこの季節。
平地はもちろん、山でも下山時に思った以上の暗さにびっくりする事もあるかと。

日の出の遅さと日没の早さ、そして昼時間の短さはテレビ等でもよく取り上げられて目にすることは多いけど、山に登る上でもうひとつ重要な要素が。
それは、太陽を見上げる角度である“太陽高度”。

夏は真上(に近い角度)からジリジリと、秋から冬にかけてどんどん低い角度になって弱々しい日差しになるのはよく実感してると思います。
この低い太陽角度が山の中でどんな影響があるか。

まずは平地での変化を確認。
太陽高度@KEISANから長野県大町の8~12月の各月1日の太陽の方位角&高度をグラフにしたのがこちら。 
太陽高度0度が地表面にあたり、薄茶エリアから上に出たところが日の出、入ったところが日の入りになります。

夏には早い時間から出て高くまで昇り、遅い時間に沈む。季節が進むにつれて日の出は遅くなり、高度も低くなり、早い時間に沈む。
当たり前のことではあるけど、夏から冬にかけて太陽の動きは劇的に変化していきます。

そして、ここで自分のいる場所を再確認。

上のグラフはあくまでも平地で、地平線が広がる状況での変化ってこと。
山の中にいるとき、山の近くにいるときに水平線が見渡せるなんてことはそうそうない。太陽が山の向こう側にしずむなんてことはよくあるし、谷沿いの登山道を歩くときなんて本当に空が狭くなります。

それじゃ、例えば山の稜線が見上げて20度の角度にど~んと広がってるとどうなるかがコチラ。
もちろん1日中太陽のある方角に山があるなんてことはないけど、ある時間に太陽がどのくらい稜線から出てるかをイメージしてもらえばいいかと。

長々と上から照らされる夏にくらべ、劇的に太陽を拝める時間が短くなる秋~冬。
太陽高度が低いとそれだけ山に隠れる影響が大きく、平地以上にがっつりと昼の時間が削られることがわかります。
しかも、紅葉の季節ってことは、まだ木々には葉っぱがいっぱい付いてるってこと。
早々に山影に立ち去る太陽と合わさって、秋の夕方の山道は本当に暗くなります。

こまめな地図の確認で道に迷わないように心がけるのはもちろん、日帰りでもヘッドライトと防寒着を1枚余分に持って行くのはお忘れなく。帽子や手袋もザックに押し込んだってそんなに場所はとりません。

最悪暗くなって道に迷ったとしたら、よく分からないまま歩き回るのは深刻さを増やすだけ。腹を括って一晩ビパークしちゃって、明るくなってからルートを探す方が安全です。
1~2食分の予備食、飲み物、防寒着、レスキューシートくらいの装備があって雨さえ降らなけりゃ1晩でどうこうなるのはまず無いはずなので。

レスキューシートは安くてかさばらないけど効果は絶大な非常グッズ。使い捨てと割り切って安いのを買っとくのもいいし、少しだけ高くなるけど繰り返し使えるタイプにしとくとくるまりながら景色をながめたり、シュラフの上にかけて防寒力アップさせたりと色々役に立つんでオススメです。


そんなに収納サイズは変わらないから大は小を兼ねる方式で2人用もありかと。

大雨の予測と解析と防災情報(20171007大雨@伊豆諸島)

下層暖湿が強く、トラフもしっかりしてて結構降りそう。あとは前線&低気圧がどこまで北上するか、が重要な着目点だった今回の大雨イベント。

結果として、暖気が北上したのは伊豆諸島の真ん中までで、これより北側の関東はヒンヤリした空気に覆われてダラダラと雨。
そしてヒンヤリと暖気のちょうど境目となった伊豆諸島の三宅島は猛烈な雨に。海の上なんで当然観測点は島にしかないけど、レーダーに対応する風と気温の境目もくっきり。 ↑はアメダスの分布図を加工して作成。高解像度ナウキャストに雨量以外のアメダス観測値も重ねれるようにならないかなぁ…。

赤外画像で見た対応する雲域の発達っぷりもなかなかのもので、日中で可視画像が見えたら凄い姿をしてたんだろうなぁとちょっと惜しい気持ちにもなったりして。

ただ、小さくて激しい現象だったので、天気図の低気圧&前線はドンピシャで対応するほど細かくは表現されてない、といった感じでした。

こういったコンパクトな低気圧&前線による大雨は、強雨となる領域(主に南北)。 そして強雨域の走向(分布)と移動方向が重なって強雨が持続するパターンにはまるか、といったあたりが重要なポイント。

でも、この両方を事前にピタッと当てるのは今の予報技術では相当難しいのが現状。
ある程度幅をもった予報を出しつつ、実況監視&解析をしながらどんどん予測シナリオを修正&絞り込んで注意報や警報等の防災情報に反映させていく、というのが予報現場での作業になります。
今回は後半急激に発達&大雨パターンにはまり出したのでちょっとバタバタだったかも。

こんな感じで連休頭は微妙な天気になったけど、明日~明後日はまあまあな天気になりそう。事故の無いように気をつけつつお楽しみください。

…まあまあ、と言いつつ、高気圧の中心が北にずれてる時の関東は天気予報がかなり嫌らしいパターン。
関東の天気好きは明日どれだけ晴れ間があるかにもご注目ください。