20160626筑波山

梅雨時の貴重な晴れ間ということで、6/26はお手軽登山として筑波山へ。
始めて登ったけど、麓の筑波山神社から山頂(女体山877m)までは地味に標高差600m越え。
白雲橋コース→山頂(女&男体山)→御幸が原コースとグルッと回るとそれなりに歩きがいのある山でした。
12kg超えのウェイト(2歳児♂)を背負ってたこともあり、しっかり筋肉痛に。
こんなんでテン泊できるんだろうか…。
map_tsukuba登山道@筑波山ケーブルカー&ロープウェーより

1000mにも満たない山とあって今まで登ってなかったけど、麓の筑波山神社や途中のオモシロ岩もあって意外と楽しめたのも嬉しい限り。
低山特別枠(?)で百名山に入ってるのもなるほど納得です。
山岳信仰の世界観が好きなぼくにとって、山自体が御神体&山頂に社があるのも好ポイント。
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さらに、男体山の山岳付近には筑波大学の筑波山プロジェクトによる気象観測所も。

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今みたいに高層観測や衛星データなんて無い時代、山頂での観測データは非常に貴重なもの。
今でも雨雲レーダーが設置してあるなど山は気象にとってとても大切な場所です。
山登りついでに観測所やレーダーを探してみるのも面白いですよ。

山頂の観測といったら最も有名な富士山レーダーも、富士吉田市でのんびり余生を送ってるので近くに行く機会があればぜひ。
富士山レーダードーム館@やまなし観光ネット

今でも富士山の山頂にはアメダスがあるので、富士山登山の前には寒さへの覚悟を固めるお供にどうぞ。
アメダス富士山@気象庁

2016年、初台風のたまご

今年はまだ台風が1つも発生していないというニュース、気象に興味がある人でなくても聞き覚えがあるかもしれません。
台風1号の誕生がいつになるのか気になって仕方がない人は今日(6/23)15時の天気図にご注目を。
asas_20160623-15フィリピンの東にある熱帯低気圧の横に、なにやらゴニョゴニョ英語が書いてあります。
拡大したのがこちら。
asas_20160623-15-2
注目すべきは『EXPECTED MAX WINDS 35 KT NEAR CENTER FOR NEXT 24 HOURS』の部分。
日本語にすると「24時間以内に(熱帯低気圧の)中心付近で最大風速が35ノットになりそう」という意味。
最大風速が35ノットの熱帯低気圧。
つまり、台風になるかも!ということです。

台風情報@気象庁で熱帯低気圧の予想を見ても同じ事が分かるけど、天気図で見たほうが情緒がある・・・と思うのは単に物好きなだけ?
とりあえず、この熱帯低気圧がこのあとどうなるか注目です。

ついでに、今週末の話も少し。

梅雨空が続く中、今週末は少しメリハリが出そう。
25日(土)は日本海の低気圧&北上する前線で本州は広く、しっかり雨。
26日(日)は低気圧が通過した後で前線が南下。本州は一息つけるかも、といった予想です。
ただし、気圧の谷が通過するため上空はかなり西風が強い状態が続き、ちょっと高山の稜線はオススメしにくい状況。
週末の山行を狙ってる人は、日曜日に日帰りであまり高くない山を狙うと貴重な晴れ間を楽しめるかもしれません。
もちろん、直前の予報チェックはお忘れなく!
fsas48_20160623-09

梅雨の天気予報のハズレ方

梅雨時期の天気予報が外れやすいということを紹介した前回の記事:梅雨の天気予報との付き合い方
これを書いたからというわけじゃないと思うけど、関東地方で見事に予報が外れた事例があったのでご紹介します・・・。

2日前(6/19)に作成した今日(6/21)9時の予想天気図がこちら。
fsas48_20160619-09メリハリなくだらんとした梅雨前線が東海~関東付近では少し南に下がって海の上にある予想。
よって、関東地方は曇りで雨はほとんど降らないという予報を出していました。

しかし、これが1日前(6/20)に作成した予想天気図だとこうなります。
fsas24_20160620-092日前(6/19)ではすんなり南に下がると思っていた前線はあまり下がらず、さらに近畿地方には低気圧が発生するとの予想。
低気圧の発生、それは天気にメリハリが出るということを表します。
そして「曇り」だった天気予報は、「やっぱり雨が降りそう」に変わることに。

そして結果。今日(6/21)、実際の観測データから作成した9時と15時の天気図がこちら。
spas_20160621-09spas_20160621-15前線は1日前(6/20)の予想よりもさらに北側になり、低気圧も関東の南海上ギリギリを通過。
15時の天気図では低気圧の前(東)側は温暖前線、後ろ(西)側は寒冷前線となり、より一層天気にメリハリが出たことを示しています。

実際の天気をレーダーと衛星画像から見てみます。
まずは6/21 9時と15時のレーダー画像。rad_20160621-0900rad_20160621-1500

続いて6/21 9時と15時の衛星画像。
vis_20160621-0900vis_20160621-1500

このように2日前には『前線がだらんと南に離れて曇り』予想が、実際には『前線が近く&低気圧も通過。まとまった雨のち晴れ』になってしまいました。
あとからこの予想&実況を振り返ってみると色々と反省点も見つかるけど、正直なところ2日前の時点でこれを予想するのはかなり困難な事例だったかと。

このように、梅雨時の天気予報は本当に難しく外れやすいため、常に最新の予報をチェックすると共に柔軟に対応できるプランの準備をオススメします。
もちろん天気予報の関係者は誰しも当てようと頑張っていますが、すぐにバッチリ当たるようになることは無いと思うので・・・。

梅雨の天気予報との付き合い方

天気予報の担当をしてると、外れたときはなぜ外れたのか、何を見落としてたのか反省&復習する日々です。
特にこの梅雨の季節は顔を上げて歩けないレベルの外しっぷりもしばしば…。
今回はなぜ梅雨時の天気予報が外れやすいか、天気予報とどう付き合えばいいかについてのお話しです。(言い訳だなんて言わないでっ!!)

偏西風が支配する日本周辺では天気が西から変わるのがいつもの状態。
地球全体を見渡すくらいのスケールで考えると、日々の天気の変化は地球を伝わる大きな『波』が主役のひとつ。
地球を北極側から眺めた(上空の)天気図がこちらです。
auxn_20160415-12

北極から外側(南)に張り出してるところが、天気予報でしばしば登場する「寒気を伴った気圧の谷」になります。
ゆっくりと東(この天気図だと半時計回り)に流れるこの巨大な波の影響が大きい春や秋の「周期的に変わる天気」は比較的予想しやすい現象です。

問題なのが、この『波』の影響がぼんやりしてしてくる梅雨の季節。
春と夏の空気が日本付近で押し合いをして湿り気たっぷりの停滞前線(梅雨前線)を作る一方、メリハリを作ってくれるはずの『波』はあまりやる気なし。
さらに、『波』に伴う低気圧なら雨や風のタイミングが遅い早い・強い弱いくらいのズレで済むところが、停滞前線だと位置が少し南北にズレると全国的に天気が大きく外れるのが恐ろしいところ。
正直なところ、メリハリが弱い状況で少し先の予報を当てるのは至難の業です。

そこで参考にしてほしいのが週間予報@気象庁の「信頼度」。
「この日の予報はこのくらい自信がありますよ」を表してるもので、自信ありから順番にABCの3段階。
全国的にCが並んでる時はメリハリが弱く予報が難しい(=変わったり外れたりしやすい)ことを、逆にAが多いときは予報が当たりやすいことを意味します。
ちなみに今日の週間予報はこんな感じ、矢印のとこが信頼度です。
まさに梅雨まっさかり、自信の無さがありありと感じられる予報になっています・・・。
week-forecast_20160618-11

今のところ梅雨時に予報が外れやすいのは予報技術の限界としか言いようがなく、誰もピタッと当てることはできません。
週間予報の信頼度が低い時はインドア行動も含めて色々なプランを用意しておいて、直前の予報でどうするか最終判断するしかないと思います。

ひとつ救いがあるとすれば、予報が難しくメリハリが弱いときは、大荒れの天気になる確率は低いってこと。
たまには雨に降られるのも織り込んで、近くの半日お手軽コースでしっとりした山を楽しむのもいいかもしれません。

「少雪な冬」×「暖&少雨な春」=?

今日になって一気に九州~東海まで梅雨入りが発表され、そろそろ関東にも梅雨の便りが届きそうな気配。
これからスッキリしない天気が続くのか・・・とウンザリしてる人に、ちょっと雨が恋しくなるかもしれないお話を。

ちょっとこの間の冬を思い出すと、2015-16年の冬はなかなかの暖冬&少雪。
雪山大好きっ子にとっては辛く寂しいシーズンでした。
改めてデータで見てみると、特に本州は平年6割以下のところも多く、かなりの少雪っぷり。

snow_201512-1602
冬(12~2月)の天候@気象庁より引用

そして春。
3月から5月にかけてどんな天候だったかというと、ずばり『高温&少雨』。
一時的な寒気の入りを除けば、全国的に気温はずっと平年より高め。
雨も北日本~東日本、北陸~山陰と平年よりかなり少ない状況。
関東では6/3に少雨に関する関東甲信地方気象情報@気象庁なんてのも出てたりします。

temp_201602-05
rain_201602-05
春(3~5月)の天候@気象庁より引用

さて、「少雪の冬」から「高温&少雨の春」につながると、どんなことが起きるか。
関東の水がめである利根川上流の8つのダムの貯水量がどう推移してるかのグラフです。

dam_20160603
首都圏の水資源状況について@関東地方整備局より引用

赤い線が今年の水位だけど、利根川8ダムとして統計が始まってから最悪のペースだった平成25年よりさらに悪い。
雨の少ない冬に減少→春の雪解け水でたっぷり補給→梅雨や台風の補給を受けつつジリジリ減りながら夏を乗り切る、が定番の水位変化。
ダムの専門家ではないからあくまでも推測だけど、今年の変化は

  • 暖かい春のせいで雪解けが急速に進んで例年より早い3~4月に水位上昇
  • 元々雪が少なかったから5月半ばに早くも雪解けの恩恵が終了
  • 最近の少雨のせいで急速に減少中!

ってことかと。

そろそろ梅雨に入る時期とはいっても、しばらく雨は少なそうという1ヶ月予報も出てるんで今後の推移がちょっと心配です。

さてさて、ここまで読んだ人はぼちぼち雨が恋しくなってきた頃でしょうか。
ジメジメと鬱陶しい梅雨だけど、夏を乗り切るための大事な給水期間。
特に脱水症状気味な今年はほどほどに降ってくれることを願いましょう!

20160529谷川岳

先に天気のことだけ春の高気圧その2に書いたけど、久しぶりのちゃんとした山歩きは近くて良い山、谷川岳。
西黒尾根から天神・田尻尾根とぐるっと歩いてきました。
ついでに、一度やってみたかった電車でアクセス&土合駅の駅野宿付きプランで。

土合駅に止まる最終列車が着くのは20:51。
“日本一のモグラ駅”で知られる土合駅、下り線ホームから改札口まではなんと階段500段弱!
登山客でにぎわってた昔は競い合って登ったらしいけど、このとき土合駅で降りたのは自分を含めてわずか2名。
なかなか雰囲気のある場所なんで、怖がりな人は1人じゃ行かないほうがいいかも?
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せっせと階段を登って辿り着いた改札口前には先客の登山者が2パーティ。
ここで悲しい&情けなかったのが、バーナーを使っている登山者がいたこと。

この春、利用者(ほぼ登山者)のマナーが悪いため駅の待合室が閉鎖された。

JR土合駅 登山者愛用の待合室が閉鎖 宿泊者の火気使用相次ぎ「安全のため」@東京新聞2016/5/19

それでもなお火気厳禁といわれる中でバーナーを使うなんて…。
若い人が外で使っているなか、中年パーティのリーダー格と思われる人がそんなことをしている光景は非常に悲しいものだった。

この出来事を抜きにすれば、野宿する場所としては1等地。
建物の中だし、電気はあるし(明るすぎ?)、トイレも綺麗だし。
貨物列車が通過するたびに遠く離れた地下ホームから吹き込む風も面白いし、興味もった人は一度試してみる価値ありかと。
もちろんマナーは守った上でね!!
(駅舎内は火気厳禁、ゴミは持ち帰り)

土合駅の欠点としては、谷川岳ロープウェーの乗り場までちょっと距離があって歩くと15分くらいかかること。
車道歩くくらいなら山道歩きたい、って思うのは登山者の性ですな。
ロープウェー乗り場を通り過ぎてもうちょっと進んだところが西黒尾根の登山口。

尾根とはいっても樹林帯で見通しのきかない道をしばらく登ると、1時間半くらいで森林限界突破!
青い空をバックにそびえる岸壁と真っ白な雪渓、今回はこの景色が見たかった!!
よ~く見ると富士山もちょこっとお出まし♪
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そんな絶好の登山日和に感謝しつつ、登りきるのがもったいないくらい素敵な尾根を登ってく。

西黒尾根の後半は岩場がメインになってこんな鎖場もちょいちょい。
ボルダリングで遊んだ経験があるような人ならとっても楽しめるルートだと思うけど、体力と岩場スキルのどっちも不安があるような人は避けたほうが賢明かと。
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山頂近くのルート上にはまだ20メートルくらい雪が残ってたけど、さすがにカチコチになるような気温じゃないんで全然問題なし。
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双耳峰である谷川岳のチャームポイント、ネコ耳を目指して最後の上り坂。
このちょっと先でロープウェー利用のメインルート:天神尾根と合流して一気に賑やかになります。
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山頂付近からは万太郎山~仙ノ倉山~平標山へと続く稜線が見事。
この東西縦走や、土合から白毛門~朝日岳に登って谷川岳までグルッと一周ってのもいつかやってみたくなる。
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一ノ倉沢の岸壁にとりついてるクライマーもいたけど、そっちはぼくにはちょっと無理な世界。
こっちの岸壁をよく見たかったらオキノ耳のもうちょっと奥、浅間神社くらいまで行くと人も少なくてオススメです。
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山頂まわりで1時間くらいのんびりして、下りは登山者で賑わう天神尾根へ。
基本的に整備されてて、下半分は木道だけど上半分はちゃんと登山道。ちょっとした岩場もあるしそこそこ急坂なんで、ロープウェーあるから楽勝でしょ~なんて思ってると痛い目会うかも。
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まだ田尻尾根は歩いた事がなかったんで試しに使ってみたら…上半分は展望のない樹林帯で暑いし、下半分は重機も通る作業道。
次にこっち降りるときは素直にロープウェー使うことにします…。

こんな感じで久しぶりに山を満喫した谷川岳。
素敵な景色に出会えて、山と天気の神さまに心から感謝!

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春の高気圧 その2

春の晴天はなぜスッキリなのか書いた少し前の春の高気圧
5/29に登った谷川岳の景色から補足を少し。

天気のいい日に高い山に登るとちょくちょく出会うこんな空。
空は真っ青、遠くの山もクッキリ。
でも下界はなんかモヤモヤ…。
スッキリとモヤモヤの違いはなにかというと、その空気がどこから来たかの違い。

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スッキリの部分は、高気圧の下降気流で降りてきた上空の乾いた&チリの少ない澄んだ空気。
モヤモヤの部分は、地上近くに溜まってる湿った&チリの多い空気。
モヤモヤの中にいるとわからないけど、せっせと登ってスッキリ空気の層に入ると途端に違いが見えてくる。

ついでにいうと、太陽に温められたモヤモヤ層の中にポツポツと積雲が。

太陽によって直接温まるのはあくまで地面。
地面の上で上昇気流ができ、この上昇気流に載って地面付近の湿った空気が上昇&雲になってるわけ。

2000m級以上の山に登るときはぜひスッキリとモヤモヤの境目を探してみてください。

ちなみにこの日の天気図&衛星画像はこんな感じでした。
移動性高気圧、さんきゅ!
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