読書ノススメ ~タモリ倶楽部編~

9/9のタモリ倶楽部は気象庁内にある本屋さん、津村書店が登場。
お天気好き以外にも見た人が多いと思います。

正真正銘“気象庁の中”にある本屋さんなのでちょっと手続きがいるけど、職員以外の人も利用可能。
津村書店以外にも普通に利用できる施設として、気象庁の広報施設である気象科学館や食堂(大手町としてはかなりの安さ、味は…あまり期待せずに)、意外なところでは吉野家もあったりするんで興味のある人はぜひ一度訪れてみてください。
受付で上記の中のどれか、「●●に行きたいんですけど」と伝えると入館証(要返却)を渡してくれます。
あと、こっちは団体(5名以上)かつ予約制になるけど気象庁の見学名所:予報現業室の見学もできるんで気になる人は見学案内をどうぞ。

さてさて、それでは気象の専門書がズラリと並ぶ津村書店からどんな本が紹介されたのかを見てみます。

まずトップバッターはテレビの天気予報でもおなじみ、ひまわり8号を扱った『ひまわり8号 気象衛星講座』。
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ひまわり8号がどう進化して何ができるのか、そして衛星画像の使い方をまとめた本。
むしろ、衛星画像の使い方のテキストとしての色の方が濃い一冊。

衛星画像について勉強するぞ~!と燃える人なら買ってもいいと思うけど、最大のネックはそのお値段。
発行部数が少ない専門書の宿命とはいえ、ちょっと気軽に買える額じゃないです。
タイトルにひまわり8号を冠してはいるけど、運用開始後まもなく発売された本なので掲載してる事例・動画が前ひまわり世代の物が多いのもちょっと物足りない点。

そこで衛星画像について勉強したいって人にとりあえずオススメなのが、気象庁内の組織である気象衛星センターがまとめたテキスト『気象衛星画像の解析と利用』

平成12年刊行と古い本だけど、衛星画像の利用の基礎は今も変わってません。
基本となる「可視画像」「赤外画像」「水蒸気画像」について学ぶにはこれでも十分。
何よりタダ!(PDF形式でダウンロードできます)

さすがに時代が時代なんで白黒だしちょっと画像も荒いけど、衛星画像の使い方について勉強してみたい人は目を通して損はない内容です。
もうちょっと肩の力を抜いて見たい人は、巷にいっぱいあるカラー写真たっぷりの一般書を手に取った方がいいかと。
あとはひまわりリアルタイムWebあたりで日々の衛星画像と天気図を眺めるのみ!

続いて出てきたのは日本の気象学のバイブルである『一般気象学』。
大学や職業として気象に関わる人で知らない人はいない一冊です。(持ってるかどうかは別)
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ただ、絶対に間違えてはいけない注意点として…お天気について勉強してみたいな、といったノリで最初に手に取る本ではありません!!

そんなことしたら序盤から心がへし折れること間違いなし。
あくまでも大学基礎レベルの『気象学の教科書』であることを忘れずに、まずは本屋でパラパラっとめくってから買うかどうかを決めましょう。
間違っても勢いでアマゾンでポチったりしないように。

木原さんが一般気象学の代わりに教科書として使っていたという『新・天気予報の手引』は…しっかりと読んだことがないのでノーコメントで。
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そして最後に登場したのが『天気図の散歩道』。
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天気図についてなるほど~なことからトリビア的なネタまで天気図愛に溢れる1冊。
これぞまさしく天気図マニアの天気図マニアによる天気図マニアのための本で、こちらもお天気入門時に手に取る本じゃないです。
でも、天気図の概要がわかってから読むと本当に面白い本なので、ぜひ読んでみたい本リストに加えておいてください。

以上の4冊がタモリ倶楽部で紹介された本。
さすがタモリ倶楽部、どれもお天気入門として最初に手に取る本にオススメはできませんw

そこで最後に、天気・気象について勉強したいと思った時に何を読めばいい?な話を少し。

気象予報士関連も含めて本屋の自然科学・気象コーナーに行けば気象の本はかなりの量があります。
手にとって自分の好みに合った本を…というには多過ぎる量。

その中で、ぼくがお天気入門への最初の本としてオススメするなら『史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本』になります。
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オススメする理由は以下のとおり。

まずは見た目。
全ページカラーで写真・図が豊富なこと。
やっぱり綺麗な方が最初にイメージを掴みやすいのはまちがいなし。
写真・図が多いというのは“最初の1冊”には欠かせない要素です。

そしてもちろん内容も。
広い守備範囲をちゃんとした項立てがあるのがナイス。
この本はこんな構成になってます。

第1部 天気図を読み解こう
 第1章 天気図と衛星画像
 第2章 日本の四季
第2部 天気予報ができるまで
 第1章 データ観測と解析
 第2章 天気予報の発表
第3部 地球の気象を知ろう
 第1章 大気現象のしくみ
 第2章 環境問題と異常気象

天気図と衛星画像で日本全体のざっくりとした四季を知り、観測を含め天気予報がどうやって作られるかを知り、最後にその背景として“気象学”を少し学ぶ。
実際に読んでみて、なかなかうまい構成だと感心しました。

特に第2部では「気象予報士ってどんな仕事?気象予報士 岩谷さんの1日に密着!!」というコーナーがあり、実際の気象予報士の活動が詳しく載っているのはこの本の大きなオススメポイントです。

予報の基礎となる観測についてもちゃんと扱っているのも好印象。
特に予報士試験を意識した本だと観測はあっさりしてることが多いけど、お天気好きとしては観測と予報の両方を知っておいたほうが理解が進みやすいと思います。

「環境問題と異常気象」が最後になってるのもぼくの好み。
ここをやたら煽って基本となる話のスペースが奪われてる本も結構ある気がするので・・・。

「山の天気」の本についても紹介したいとこだけど、山の天気も普段の天気も基本は同じ。
一般的な天気の応用編として山の天気がある、そんな感じです。
だから、一般的な天気を理解せずに山の天気を理解しようとするのは無駄に難易度を上げるだけ。
まずは普段の生活で身の回りの天気から考えるクセをつけると、山の天気のスキルも自然に上がってきます。

そんなわけで、お天気・気象について勉強してみたいけどどうしたらいいのやら??な人は、ぜひ本屋で一度手に取ってみてください。

「山の天気」についての本の紹介もそのうち。

【追記】
津村書店では実店舗のほかにも通信販売も対応!
気象庁のマスコットキャラ「はれるん」の各種グッズも買えちゃいます。
天気の御守りとして山のお供にいかがでしょ?

※ご利益の有無については一切不明です

コメント

  1. 津村書店 より:

    「タモリ倶楽部」を紹介してくださり
    どうもありがとうございます m(_ _)m

    津村書店の通信販売も ご利用くださいませ
    どうぞよろしくお願いいたします m(u_u)m

    • いのすけ より:

      わざわざコメントありがとうございます!

      タモリ倶楽部デビューおめでとうございます&おつかれさまでした。
      知る人ぞ知る津村書店。
      ますますの繁盛をお祈りいたします♪

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