【読書感想文×2】南極で生き物を愛した人と、空を愛した人

最近は何かと南極絡みの本を読むことが多いけど、今回はその中から印象深かった2冊をご紹介。

まずは田邊優貴子さんによる〝すてきな地球の果て〟

よりもい(宇宙よりも遠い場所)見てて、「あ、これは…」と思った。
こうすればもっと分かりやすいかと。

たぶん、よりもい作中で報瀬の母、貴子が書いた本である〝宇宙よりも遠い場所〟デザインのモチーフだろうな~と。
狙ってか、名前も田邊優貴子と小淵沢貴子で似た雰囲気。

田邊優貴子さんは極地を中心に活躍する生物学者さん。

…ってことだけは知ってたけど、よりもい見た時点でまだ読んではなかった(^^;
で、今回の更新になったわけ。

極地に向かうきっかけから、実際に南極と北極に行って出会った感動を生き物との関わりを中心に綴った手記的な雰囲気の強い1冊。
本当に極地が好きで、生き物が好きで、この世界が好きで。
そんな溢れ出る気持ちがよく伝わってくる素敵な本。
南極に興味があるなら一度読んで損はしないはず。
もっと早く読んどけばよかったな~。
よりもい視点でも色々思ったけどそれは後で。

この本の難点をあげるとすれば手記的な要素が強いんで、あらかじめ南極や北極の写真や映像をそこそこ見てればすんなりリンクするけど、前知識がない状態だともしかすると入り込みにくいかも??

パートごとにまとまって素敵な写真も数多くのってるけど、あくまでもメインは文章を通して田邊さんの感動を追体験するって本な気がしました。

そこでもう1冊のオススメをご紹介。

こちら、武田康男さんによる〝世界一空が美しい大陸 南極の図鑑〟

武田康男さんは〝南極の空を見る&撮る〟ことを目的に南極を目指した空の写真家。
個人的にかなり親近感を感じる動機ですw

こっちは素直に主題は〝南極の自然の写真集〟で、写真に筆者の想いや解説が付く形。
目の前に広がる圧倒的な自然を切り取った作品がズラリと並んでます。
南極ってどんなとこだろ、と思ってる人は先にこっちをみた方が分かりやすくていいんじゃないかなと。

田邊優貴子さんと武田康男さん。

同じ南極を舞台にしていながら、生物学者と空好きが見る景色の違い。
もちろん重なる視点もあるけど、やっぱり生き物を見ちゃう人と、空を見ちゃう人。
手記と写真集という表現の違い。
あと、田邉さんは夏の南極だけ。武田さんは越冬隊として丸ごと1年の南極って違いも。
読み比べるととても面白い2冊なんでぜひセットでどうぞ。

さて、ここからはちょいとアニメ好き属性強めな話を。

よりもい見てない人はなんのこっちゃ、だと思うんでスルーしちゃってください。
できればよりもい見てからまたどうぞ。
アニオタ以外が見ても面白いっすよ!(たぶん)

報瀬母・貴子のモデルの1つになったであろう田邊優貴子さん(少なくとも本においては)。
田邊さんは生物学者、貴子は作中から察するに天文系の人。
学問のジャンルは違えど、〝すてきな地球の果て〟を読むときっと貴子の〝宇宙よりも遠い場所〟もこんな南極への好奇心と感動と愛情に満ち溢れた本だったんだろうな~と思う。

でも、そんな本を残して母:貴子は南極から帰ってこなかった。
そして取り残された娘:報瀬。

当然本を読んでも母の想いや感動を素直に感じられるはずもなく、ただ戸惑うばかり。
意を決して南極に向かうも、実際に南極に立ってもその気持ちは変わらない。

戸惑いもがき続ける中、仲間の助けでついに長年の想いが溶け出し決壊した報瀬。

作中では描かれなかったけど、きっと帰ってから(あるいは帰りの船旅で)お母さんの〝宇宙よりも遠い場所〟を読み直したんだろうなぁと。
どんな気持ちだったんだろう。
ちゃんとお母さんの想いは伝わったかなぁ。

あぁ、そんな想像をするとまた涙が…。

ってな感じで、よりもい という作品を味わう上でも〝すてきな地球の果て〟は結構意味のある1冊だと思う。
よりもいを楽しんだ人はぜひ手にとってみてください。
ホントに南極に行きたくなるかも!?

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