越冬終了に向けて各種作業が目白押し。
そんな中で大変だけど楽しみにしていたのが、昭和基地を離れた大陸上にある拠点“S17”での野外オペ。
ちょうど1年前、南極に着いて初めて“南極大陸”に降り立ったのがS17。
すぐ近くのS16ってポイントと合わせて、日本の観測隊にとって大陸への玄関口みたいなところ。
今回は自分が引継ぎを貰ったように、61次隊の後任者に引継ぐためのオペレーション。
これが1年前。
そして・・・いま。(11月頭の様子)
そりゃもう見事に建物が屋根まで埋まってらっしゃる。
雪&氷の足場しかない大陸上に何かを置くと沈んだりドリフトついたりで苦労させられるのがド定番。
このS17もお約束通り見事な埋まりっぷり。
去年来た時は除雪車両の支援があったけど、今シーズンは諸々の事情でここからスタート。
そんなわけで。
しらせの屈強な戦士たちの支援を得てまずは掘る!とにかく掘る!
しらせ支援のおかげで初日の午前中でなんとか入り口確保。
3m近い雪の中、もはや完全に地下施設w
中にある機器にもアクセスできるようになって無事にメンテナンス作業実施。
しらせ支援がなかったらどんだけ時間かかったのやら。
考えるだけで恐ろしい。
ちょっと離れた場所では一緒に行った気水チームがこれまた観測機器の掘り出し中。
南極で観測データを得るってのは設置物の維持だけでもホント手間がかかります・・・
食堂&寝床となる雪上車の立ち上げなんかもやってるうちにあっという間に夜。
夜遅いしもう寝るか、と言いたいけどこんな景色を目の前にすぐ寝るのはもったいない。
深夜の夕暮れに染まる南極大陸。
ただただ美しい・・・
翌日もヘリのピックアップ時間を気にしながら雪堀り、機器のメンテ、拠点入り口の雪除け、雪上車の給油&立ち下げと慌ただしい1日。
なんとか撤収準備ができたら任務完了と61次隊2人の大陸デビューを祝って記念撮影。
迎えにくるCHヘリがまたカッコいいぜ!
ちょっと嬉しいおまけとして、さらに内陸のH68ってポイントに寄り道して別チームをピックアップ。
空から眺める南極大陸も本当に綺麗。
1年前に行ったスカーレンや、クラックに阻まれてたどり着けなかったラングホブデといった露岩域にも空からご挨拶。
ちなみに寄り道先のH68も2ヶ月に内陸旅行で必死に掘った場所w
観測機器の横に残った雪上車の跡が本当にそこに来たことを物語ってた。
ホントに内陸は雪が積もるペースがゆっくりなんだなぁ。
これで自分が南極大陸に上がってする仕事は終わり。
あとは昭和基地でいつも通りの観測をしつつ、観測データのチェック、気象棟移転に関わる資料の更新、61次への引継ぎをひたすら頑張るのみ。
色々大変だったけど本当に充実した時間だった。
南極、ありがとーー!!
そんな挨拶を(心の中で)叫んできたのが1月8日。
今は死にかけの目で必死に残務と闘ってます・・・
昭和基地で過ごすのもあと2週間。
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