1月29日は昭和基地の誕生日、昭和基地開設記念日。
日本の南極観測隊がオングル島に上陸して、昭和基地の開設を決めたのが1957年1月29日。
そんな昔に初めてたどり着いた南極の地でたった2週間で4棟の建物を作り、越冬開始。
なんて凄まじいことをしてたんだとつくづく思う。
そんな1次隊の足跡が昭和基地にはいくつか残ってます。
まず、一番簡単に拝めるのが1次隊が建設してまだ現存してる建物である旧本屋棟→旧娯楽棟、通称:旧バー。
こんな赤い建物で、旧バーってだけあって中にはバーカウンター。
今ではほとんど倉庫としか使ってないけど、歴史的建造物ってことで保存に向けてあれこれ考えてるとこです。
どこにあるかというと昭和基地の看板で有名な“19広場”の裏。
昭和基地についてとりあえず記念撮影すると、もれなく旧バーも一緒に写ることができます。
ほらね。
つづいて、最近見つけたのが気象棟にあったやけに頑丈な古い棚。
12月の基本観測棟への引越し作業中に初めて知ったけど、裏にはこんな標板が。
初代南極観測船『宗谷』が1次隊を乗せて日本を出発したのが昭和31年11月8日。
その直前に納入された棚ってことで、宗谷に載って1次隊と一緒に来た棚である可能性あり。
この棚を作った壽商店、今はコトブキシーティングってお名前です。
この棚の兄弟として大型・小型の棚も現存。
見たい人は基本観測棟2階にある気象観測室の見学ついでにどうぞ。
中型の棚はちょっと気付きにくいところで活躍してます。
そしてもうひとつ。
ちょっと足を伸ばす必要があるけど、ここがまさに1次隊が上陸した場所!
正確には上陸したのは西オングル島。
昭和基地はごく細い海峡を跨いだ東オングル島にあります。
西オングル島と東オングル島を分ける“中の瀬戸”。
その先にある上陸地点までは昭和基地中心部から歩いて約1時間半。
↑下見の時の写真
ガレ場を歩き
入り江を巻いて
ペンギンの腹跡だらけな雪田を渡り
水面が輝く大池が見えたらもう少し。
ぼくが行ったのは12月だったけど、9月に行った時はガチガチに凍った大池の上を歩いていってた。
なんともうらやましい…。
もちろんめっちゃ寒かったらしいけど。
この上陸地点は北の海を眺める昭和基地とは反対に、南側が開けてて氷山や隣の露岩域:ラングホブデがよく見える。
景色だけ見たらこっちの方が好みだな~と無責任に思いつつ、まあ色々考えて今の場所に落ち着いたんだろうけど。
この時、9月では見つからなかった、この上陸地点で1次隊が旗を立てた岩ってのを見つけるのを目標にしてた。
実際に探してた時は確信がなかったけどなんとか出会えてたみたい。
山の手前、中央下に見えてるのが1次隊が使った岩。
足元に埋まってる岩が薄っすら見えてたんで頑張って掘りましたw
全てが初めて、全てが冒険。
そんな熱い男たちが過ごした時間にちょっと触れる、そんな素敵な場所でした。
そんな1次隊から続く、日本の南極観測のバトン。
まもなく60次隊から61次隊へ渡ります。
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