海氷の歩き方

日ごとに夜が長く&暗くなる昭和基地。
春分の日も迫り、昼と夜の時間が同じくらいになってきました。
3月12日には最低気温-18.2℃、最高気温も-13.1℃となかなかの冷えっぷり!

そんな寒い日も、海氷の上へ。
どれだけ積雪が増減したかを調べに行きます。

海氷の上に出るとき、一番注意しなきゃいけないのは氷のひび割れであるクラック。
がっしりして動かないように見える厚さ数メートルの海氷も、実は潮位の変化で結構上下に動いてたりします。昭和基地リアルタイム験潮データ@海上保安庁より

動かない陸の氷と、上下に動く海の氷。
その境目には海岸線と平行に何本も潮位によるクラック、タイドクラックが発生。

タイドクラックを見落とさないように周りをよく見て。
何本も足元を横切るクラックがあるのが分かるでしょうか?

細いように見えても雪で蓋されてるかもしれないので慎重に。
先のとがった鉄の棒、ゾンデ棒と剣スコを使って足元チェック。

クラックの縁には、相対的に暖かいクラックの奥から出てきた水蒸気が雪の表面に昇華(凝華)して綺麗な霜が。

黒い方眼は1mm。

気温が高い&日差しが強い夏の間には表面が解けた水たまり、“パドル”ってのもあったりしたけど気温の下がった今ではカチコチ。
表面は凍ったけど中は水たまり、なんて可能性もあるから油断しすぎもよくないけど、まあそこまで気にしなくてもOKです。
夏盛りの1月はこんな状態でした。

そうこうしてるうちに、目的地の“雪尺”エリアに到着。

雪面に立てた竹竿(雪尺)がどれだけ埋まってるかを記録することで、雪がどれだけ増えた/減ったを測る方法。
今回は写真撮らなかったけど前回の作業はこんな感じ。
まあなんとも原始的な作業ですw

厳しい環境でこそ SIMPLE IS BEST。
安いし、軽いし、丈夫だし、電源・燃料いらないし。
環境の厳しい南極でも木や竹といった自然素材は大活躍です。

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