冬の遭難事故報道をみる前に

昨日(1/12)、野沢温泉スキー場@長野と裏磐梯猫魔スキー場@福島でそれぞれ遭難騒ぎがありました。NHKニュース@野沢温泉猫魔スキー場
当日はそんなに荒れた天気というわけではなかったようですが、冬はガスや降雪による視界不良で簡単に道に迷う季節。
特に移動速度の速いスキーやスノーボードはなおさらです。

さて、この手の冬の遭難ニュースで毎回気になるのが「コース外」「バックカントリー」「立ち入り禁止区域」といった言葉たち。

この意味と違いをよく分からないままニュースにしているのをよく目にします。
その見事なまでの典型例がこの共同通信による記事で、引っかかりまくるのが以下の一文。

一行は12日に同県北塩原村の裏磐梯猫魔スキー場を訪れ、“バックカントリーと呼ばれる場外の立ち入り禁止区域”に入り、進路を見失ったとみられる。

知ってる人からすれば『バックカントリーがなんで立ち入り禁止区域の滑走と同じなんじゃ!!』と吠えたくなるとこですが、知らない人からすれば『またダメなとこ入って迷惑かけた奴がいるのね』と捕らえられてしまうこの表記。
お願いだから記事として扱うなら少しだけ勉強してからにしてほしいと思わずにはいられない。

何がどう違い、何が問題なのか、日本でパウダーコースの最先端を行く(と僕は思ってる)シャルマン火打スキー場の中の人が分かりやすく解説しているのでぜひご覧ください。

中の人マンガ<その1>「バックカントリー」について
中の人マンガ<その2>コース外滑走について

↓こんな感じです

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スキー場のリフトを使ってスキー場の上や裏にあるバックカントリーエリアに入るという行為は、スキー場にとってはどちからというとあまりオススメしたくない使い方。
でも、最近はパウダーを滑りたいという嗜好がどんどん広まり、非圧雪コースを売りにするスキー場も増えてきてます。
そして、パウダーの素晴らしさを知ってしまうとさらにその先、スキー場を飛び出てバックカントリーの世界に行きたくなる人も。

そんな大自然の中で滑るという素晴らしいスポーツへの協力として、『うちのリフトを使ってバックカントリーエリアに入るのはまぁOKにしとくよ。でももちろん技術と装備はしっかり整えて、登山届も出しといてね。』あたりが多くのスキー場のスタンスなのかなと思います。
そして、そんな人たちにどうやって知識と技術、そしてモラルを啓蒙していくかに頭を悩ませているのが現状かと。

今回の遭難事故がどんな行動の元に起きたのかはニュースだけではハッキリしないので、何が悪かったのかはここでは書けません。

ただ、スキー場の中にいる気分と装備でスキー場脇の滑走禁止エリアをチョロチョロして事故を起こすというのが一番してはいけないことなのは間違いありません。

以上、自戒を込めて。

なんてことを書いてたら、無性にシャルマンに行きたくなりました…。
しっかりした管理の元、できる限り“滑走禁止エリア”を減らして自然の山に近い形で滑ることを目指したスキー場。
ホントに楽しいところなので中級以上の方はぜひ!
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