気象データと登山で比べる2022&2023年の冬

山ネタいろいろ

去年と同じく3月中旬に登ってきた谷川岳のお隣、白毛門(標高1720m)。
今年の雪解けの早さをまじまじと感じたので気象データと合わせてメモにしときます。
こうしてブログに書くのもホントに久しぶりだな…

去年登ったのが2022/3/10。今年は2023/3/14。ってわけて時期的にはほぼ同じ。
谷川岳パーキングに車を止めて、土合駅の横を通り過ぎて登山口へ。厚みのある雪が残る2022年。

そして駅前のスペースが広々な2023年。改めて比べると本当に少ないな…

雪少ないよなぁと思いつつ、登山口入り口近くの沢にかかる橋行くと、ここでも強烈な違いが。

橋の上にこんもり雪が載って高度感にヒヤッとする2022年。

しかし!2023年は橋の上に雪が全くない!無いなら無いで陸地の雪と橋の段差がヤバい。
コレ、降りれるのか…?って不安は今回のルート中でトップクラスw

振り返るとこんな高低差。帰るときどうやって登ろうかと思ってたけど、先行者の誰かがステップ掘ってくれてた。感謝!

2022年はずっと雪の上を歩きつつの登山だったけど、今回2023年は標高1000mくらいまでは雪が繋がらずルート取りが結構悩ましい状態。
かといってアイゼンを外せる状況でもなく。
せめてなるべく草木は踏まないように…とそろそろ歩く場所も多々あり。

これだけ雪解けが進んでるのにも訳がある。
ここで気象データの確認。
気象庁の資料を少し弄って2022年、2023年冬季の気温のグラフを作ってみた。

2022年は2月も寒気がボチボチ入って、3月になってから気温がグッと上がる流れ。

一方の2023年。寒気は1月下旬で打ち止め。暖かい2月から、ガッツリ暖かい3月へと繋がる流れ。

谷川岳の麓にあるアメダス藤原(群馬県みなかみ町)で積雪のデータを見ると違いが強烈。
2022年は2月下旬の積雪のピークに向けて増減を繰り返しつつも順調に増加。
一方の2023年、1月中旬の暖気で一気に積雪を減らしてる。1月下旬の寒気で少し稼ぎ直すもなかなか増えることなく、2月まで現状維持が精一杯。そして3月になると怒涛の暖かさでガンガン減ってく。
この変化が登山口周辺で思いっきり顕在化してたってわけ。これはスキー場もキツいだろな…

露骨に差があったのは標高の低いエリアだけど、後で写真比べてみたら山頂付近も結構違ってた。

クラックは目立つものの、全体的に厚みのある雪に覆われてる2022年の山頂周辺。

一方の2023年。広いクラックがあちこちあるだけでなく、もう滑り落ちちゃってるとこも多数。

ほぼ同じ範囲を切り取って並べてみるとこんな感じ。いや~融けてますな…

山頂の景色もちょっと違う。
一面キレイな雪面が広がる2022年。

2023年は大きなクラックが“こっちに寄るなよ~”と注意喚起。

2023年の方が危ないように見えるけど、実は2022年もクラック自体はすでにあって、新雪に隠されてた。
踏み抜きや雪庇上に乗るリスクがあるのはむしろ2022年の方だと思う。

白毛門は谷を挟んだ谷川岳を眺めるには最高の展望台。
谷川岳の沢も大きな沢から小さな沢まで雪崩まくり。

暖かくなって、天気も安定する日が多くなる残雪期・融雪期の雪山。
だからといって油断すると足元、あるいは頭上に罠があるかも…
春山ならではのリスクにしっかりアンテナ張りつつ、楽しい雪山ライフをお過ごしくだされ。

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