無謀な登山者はなぜ増える? ※答えは持ってません

今回のブログを書くきっかけになったのは、岳沢小屋のスタッフブログ。

まだまだ厳しい状況にある残雪期の穂高エリアにやってくる場違いな登山者への、やりようのない怒りを感じる現場の臨場感あふれるブログです。
まずは一読をどうぞ。
5月13日、最近ひどくレベルの低い登山者が多い件について@岳沢小屋スタッフブログ

山小屋関係のブログを眺めてるとトンデモ登山者の実例には事欠かず、時々ニュースを騒がせてるのもご存知の通り。
遭難関連の報道は憶測混じりのかなり適当なモノも混じってるようなんでそのまま信じるのはやめておきたいところ。

それでも、自分のレベルと山のレベルをまったく把握しないままにトラブルを起こしてる登山者がいっぱいいる、増えてる、ってのは間違いないんだろうと思います。

土いじり的に例えると…

  • トラブル起こした人をこってり搾るのは、伸びてきた雑草を抜くような対処療法的な対応。
  • 「こうなっちゃいかんよ、気をつけてよ」と呼びかけるのは除草剤。されど効果は実感できず、どんどん雑草が増える有り様。
  • 誰だ雑草増やしてるヤツは!なんとかしてくれ!!(怒)

そんな感じなのかなぁと。

本当に解決したいならトンデモ登山者が増える原因を正確に把握した上で、原因に合った効果的な対処が必要なはず。

じゃあ、トンデモ登山者が増えてる正確な原因って何?

  • 山ブームを盛り上げようといい面ばかり前面に出すテレビや雑誌、アウトドアメーカー、登山者自身。
  • 登山の多様化、細分化。
  • ツアー登山によるリスク管理無しでのハイレベル登山が可能に。自分はできる、との誤認。
  • 危ないものは見るな触るな近づくな、と自然の面白さと怖さを知らずに過ごす現代社会(教育含む)。
  • 山岳会などの人から教わる場の少なさ。
  • タクシー感覚のお気楽救助要請でも無料と認知が広がった。
  • 登山者の母数が増えて同じ比率でトンデモ登山者も増えただけ。
  • むしろネットでレベルの低い層の増加が加速?

色々思い浮かびはするけど、何がどれだけ影響してるのか少なくともぼくは知らない。
そして、あーじゃないか、こーじゃないかという記事は見ることがあるけど、しっかりした根拠とセットになってるのも見たことない。
たぶん、トラブルを起こしたトンデモ登山者に対してこってり絞る&叩くだけでなく、どうしてそうなったのかを逐一丁寧にデータ取って蓄積していかないとホントのところは分かんないんだろうなぁと。

そんなスッキリしない気持ちを持ってる中で読んだ冒頭のブログ。

トンデモ登山者の相手をさせられる現場の大変さは本当に大変だと思う。

でも…

数年前、「岳」(漫画のほう)が流行ったときに、安易に救助要請する登山者の話しが何度も書かれていましたが、きっとそれでも読んで、山で困れば110番とでも思っていたんでしょうね。あのマンガには本当に困ります、漫画としてフィクションの話しなら問題はないのですが、設定が槍穂を中心に妙にリアル過ぎて、ああいう話しがリアルな世界だと思う人間が多くなってしまいました。

ちょ、おまっ・・・「岳」のせいにするなよーー!!
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どうしたら『きっとそれ(岳)でも読んで、山で困れば110番とでも思っていたんでしょうね。』で片づける気になった??
いや、実際現場じゃ遭難騒ぎ起こした人の多くが『「岳」読んでここに来ました。救助呼びました。』って言ってる可能性も全くないわけじゃないけど…。

山が好きで、マンガも好きで、『岳 みんなの山』って作品も大好きなぼく。
※実写映画のことは聞かないよーに

いくら山の最前線にいる現場をもの凄く知ってる人の言葉とはいえ、どーしても素直に頷く気にはならない。
安易な登山や救助を誘うより、そんなことすんなよ!ってメッセージを伝えてる作品だと思うんだけどなぁ。

この人はマンガ嫌いなのかな?
よっぽど「岳」で嫌な思いをしてきたのかな?
他の山岳関係の人はどう思ってるんだろ?
(根拠なく)結構好意的にとらえてる人が多いと思ってたけど実は違うのかなぁ。

前半は山の遭難のことを考えてたのに、こっちばっかり気になりながらブログを読み終えてしまいましたw

いちよ書いとくけど、別にこの人を批判する気も否定する気もないです。
どんな経験と過程を経てそんな考えを持つに至ったのか。
そこが気になっただけ。

あと、そもそもの「無謀な登山者はなぜ増える?」も答えが知りたい。
誰かデータから本格的に取り組んでる研究者さんいないかな。

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