ハンバーグとメンチカツと気象学

お天気講座

いきなり質問。
次の文を読んでどう感じますか?

【ハンバーグみたいに美味しいメンチカツ】

いやいやいや。
まぁ確かにどっちも挽き肉使ってる塊だけど違う料理を並べられても仕方ないって。

そんな風に思いませんか?

でも、なぜかこんなおかしな表現を割と目にするお天気情報。

【台風並みに発達した(温帯)低気圧】って表現がまさにこれ。

暖湿気だけの塊で構成されてる台風は、例えるなら挽き肉だけで作ったハンバーグ。

見てください、このギュッと詰まった肉々しさを。
可視画像でも、水分量のメリハリが見やすい水蒸気画像でも真っ白でキレイなまん丸構造。
これぞ台風です。


(平成30年台風第24号、2018/9/28 15時)

一方で、いま日本を騒がせてるのは普通の低気圧(温帯低気圧)。

こっちは寒気×暖湿気が混ざり合う構造で、例えるならメンチカツ。
挽き肉のほか、タマネギニンジンキャベツといった野菜もたっぷり混ぜ込んで作ります。

可視画像じゃちょっと分かりにくいけど、水蒸気画像だと乾いた空気をキレイに巻き込んでる構造がばっちり。


まぁ確かに台風と温帯低気圧はどちらも同じく低気圧性の擾乱(じょうらん)。

台風が北上して寒気を取り込めば次第に温帯低気圧に変化するし、発達した温帯低気圧は中心に暖気核構造を形成して台風と似た特徴を持ったりもする。

でも、そもそも材料や調理法が違う二つの料理に対して、まるでハンバーグ(台風)の方が偉い・凄い、みたいな報道の仕方はメンチカツ(温帯低気圧)に失礼だと思うわけです。

メンチカツの美味しさは、素直にメンチカツとして語ればいいじゃない。

以上、温帯低気圧地位向上委員会(仮)の軽い愚痴でした。

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