12月末だというのに南からゴッソリ暖気を運んで季節はずれの暖かさをもたらす今回の低気圧。
全国的に悪天だけど、ぼくとしては北海道の大雪が気になるところ。
雨なら流れておしまいだけど、北海道じゃギリギリ雪になるくらいの気温になりそうで、もっさもっさ積もる予感。
どんな予想でどんな影響がってところは全般気象情報や地方気象情報が出てるし、テレビの天気予報でも結構とりあげられてるので細かいことは今回ナシで。
そのかわり、とある高層天気図(の予想図)を使って低気圧をもっと楽しもうって話です。
今回使うのは高層天気図のひとつ「FXJP854」。
850hPa高度面(だいたい上空1500m)における相当温位の予想を、12時間ごとに48時間後まで表す予想天気図です。
※相当温位:気温と湿り気をあらわす指数、暖かくて湿ってるほど値が大きい
これは数値予報天気図@気象庁でも見れるけど、専門天気図@HBCや地球気@日本気象株式会社、Sunny Spotの方が使い勝手いいです。
そして、2016/12/21夜のFXJP854がこれ。
左上が12/22朝、右上が12/22夜、左下が12/23朝、右下が12/23夜の予想図です。
昔からある無線FAX仕様の資料なので全て白黒。
古めかしい感じもするけど、天気予報に関わる者にとっては基本の資料となるのは今でも変わらず。
気象予報士試験でもおなじみの資料です。
でも、これを眺めるだけじゃさすがに味気ないので色鉛筆を用意して落書きしちゃいましょう。
FXJP854の相当温位は3K(ケルビン)ごとに細い線、15Kごとに太い線で書かれてるので、
とりあえず太い線に狙いをつけて4つある図の全てで同じ値の線を同じ色で塗ってみます。(今回は330Kを赤、315Kを黄、300Kを水色に)
こうすると、12/22夜にかけて南から暖かく湿った空気がググッと北上した後、12/23には一気に北から冷たく乾いた空気に入れ替わる姿が見えてくる。
さらに、とっても役立つ参考資料を追加。
それは気象庁が民間気象事業者に対して「気象庁はこんな理由でこんな天気図にして、こんなことに注目して欲しいんです」を示している“短期予報解説資料”。
この資料も地球気@日本気象株式会社やSunny Spotで見る事ができて、その中でも注目するのは12時間ごとの低気圧や前線の動きを説明した“主要じょう乱解説図”。
予想天気図と合わせて眺めると、どの低気圧がどう動いて変わっていくのかがとってもわかりやすくなります。
※あくまでも「気象庁は今こんなストーリーで考えてますよ」の資料であって、これが「正解」というわけではないです
主要じょう乱解説図でここに低気圧や前線があるのか~、を確認したらFXJP854に戻って低気圧や前線も落書きしちゃいましょう。
(今回は低気圧の中心をピンク印、前線を緑線)
さらにさらに。
風の向きと強さを表す矢羽にそって、空気の流れをエイヤと記入。
「この空気はこっちから流れてきてるのか~」を妄想しながらハッキリいって適当です。
あえてポイントを挙げるなら、風が強いところと、南北への風の流れ(暖気移流と寒気移流)は積極的に書くくらい。(青矢印)
ここまで落書きが進むと、このFXJP854という1枚の資料に天気のストーリーが詰め込まれた感じが出てくるかなと。
高層天気図(予想)にも色々あるけど、48時間後までのストーリーが1枚に収まってるのでぼくはFXJP854が結構好きだったりします。
ここで改めて、地上天気図(実況&予想)を確認。
落書きを通して、天気図に描かれたストーリーが少しでも感じやすくなってれば嬉しいなと。
紙1枚で済む作業なので、メリハリのある天気の時にはよかったら試してみてください。
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