台風予報の別れ道 ~台風は山が嫌い~

南の海でずいぶんとのんびり過ごして長い一生を満喫してる台風第5号。さんざん迷走したあげく、ここにきてまた予報官の頭を悩ませる事態に突入中。

14時発表の台風位置と進路予想がコチラ。四国を掠めながら間もなく紀伊半島に上陸。そのあと本州ド真ん中を突っ切って北東に進む(ように見える)予想。

そして、こちらが明日朝の予想天気図。よ~~く見ると、本州ド真ん中よりほんの少しだけ北よりに見えないこともない。

え?見えない?
じっと見てるとそんな風に見えてくる、はず。
いや、やっぱりこないかも…。

そんな見える見えないは置いといて、今回の台風予報と予想天気図に籠められた想いを知るには2つのポイントを押さえる必要があります。

まず、台風の予報円について。
気象庁の台風情報を見ると、すぐ下に書いてある大事なこと。

『台風の中心は必ずしも予報円の中心を結ぶ線に沿って進むわけではありません。台風の中心が予報円に入る確率は70%です。』

台風の予報円はあくまでも確率70%をカバーする領域であって、必ずしも中心を通る可能性が高いわけじゃないです。
台風の進路が変わりそうなタイミングで「あっち?それともこっち?」な状況になってどっちも可能性がある場合、台風の予報円はどっちの進路もカバーするように大きくなる。そして、実際に進む可能性が高いのは予報円の中心ではなく、予報円の両端どっちかという状態になることも。

そして2つめのポイント、台風の“性格”の問題。

台風は大きくてエネルギーあふれる現象だけど、その厚み(高さ)はあくまでも対流圏の中に収まる10数km。
そんな“薄っぺら”な現象である台風にとって、本州の真ん中にそびえる2~3000m級の中部山岳エリアは結構邪魔な存在。台風の厚みを人の身長だとすると、中部山岳エリアは膝の高さくらいの障害物。
勢いよく進めば乗り越えれなくもないけど、ふらふら歩くには自然と避けてしまう、そんな存在です。

台風が本州の中部山岳にぶち当たりそう。
このまま乗り越えるかなぁ。日本海側か太平洋側に避けるように進む可能性も結構高いはず。
どう進むかはホントに難しいけど…可能性が高いのは北側だ!!

といった予報官の葛藤と決断が今日の台風予報と予想天気図には籠められてます。

この結果が分かるにはもう少しだけ時間がかかりそう。

もし仮に今後台風の予想進路が南寄りになれば天気や各種防災情報の中身が大きく変わる可能性もあるんで、これから明日にかけては特に最新の情報にご注意ください。

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