休日×好天からの天気急変=事故の元

そろそろ世の中はGWモード。
ただし、もちろん休日だからといって天気予報がお休みになるわけでもなく、予報現場は何も変わらない日々をすごすことになります。通勤ラッシュが無いってのはちょっと嬉しいけど。

そんなGWの初っ端、29日にちょっと気になる予想が。こちら、29日の関東甲信の天気予報。「曇り一時雨」の傘マークが並んでます。

それじゃと29日の予想天気図を眺めてみると・・・なんで雨が降るのかちょっとわからない天気図。
こういった地上天気図でパッと見で分からない現象には、上空の寒気か下層の暖湿気が隠れて悪さをしているのが定番です。

今回は前者の上空の寒気が主役で、予想天気図:FXFEの出番。FXFE5782&5784から500hPaの気温予想を抜き出してみます。
左上から今夜(27日)、明日朝(28日)、明日夜、明後日朝(29日)です。

いま大陸から北日本にかけて居座ってる寒気、その一部が鋭い寒気トラフとして29日に迫ってくることが分かります。このトラフの通過に伴い、寒冷前線とまでは言えないけど明瞭な風の変わり目である“シアー”が関東甲信を通過するのが29日の昼~午後。このシアー通過のタイミングで雨が降る、そんな予想になってます。

このことを踏まえてもう一度予想天気図を眺めてみると、やんわりとした気圧の谷が日本海に描かれてるのに気付いてもらえる、かも。

てっとり早いのは、気象庁が民間事業者(プロ)向けに解説している資料、短期予報解説資料にある“主要じょう乱解説図”を見てしまうこと。今回も日本海を南下するシアーの存在が描かれてます。(シーアーと書いてあるけど前の「ー」は見なかったことに・・・)
短期予報解説資料は地球気@日本気象株式会社などのサイトで見ることができるので、天気予報を深く読む&勉強するにはぜひ活用してください。

話をちょっと戻して、今回予想されてる雨の特徴としてとても重要なのが「天気の急変」になりそうなこと。

だんだん雲が広がって→雲が厚くなって→雨が降り出して・・・といった変化ではなく、午前中は晴れ→午後から急に強い雨(標高高いと吹雪)!雷も!?といった急激な変化になりそうです。天気図には表現されてないけど寒冷前線の通過をイメージしてもらえればいいかと。

人が多く動くタイミングで、朝は天気が良かったけど午後から天気が急に・・・というのは山に限らず一番事故が起きやすいパターン。
連休始めで山に行く人も多いと思うけど、最新の気象情報をしっかりチェックして慎重な行動をオススメします。

29日の朝に起きて「なーんだ、天気予報は雨とか言ってたのにめっちゃ天気いいじゃん」とか思ったら間違いなく事故フラグ。
夏の夕立のようにいつどこで発生するか予想しにくいパターンとは違い、今回はタイミングが比較的分かりやすいパターンです。

「まさかこんなことが」なんて言わないためにもしっかり情報収集&計画を立てて、事故のない充実したGWをお過ごしください。
天気の急変への心の準備は空の変化に気を配りつつ、高解像度降水ナウキャストがとっても役に立ちます。

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