1章‐1 空は高い、でも薄い

さっそく天気予報の技術を! ・・・と行きたいところですが、その前に準備運動が必要です。
まずは地球そのものと、天気の舞台である“大気”について少し知っておきましょう。

“大気”とは、地球を包んでいる“空気の層”です。
どこまでを大気と呼ぶかは定義によって変わりますが、だいたい地面から100km~数100kmの厚みがあります。

とても軽いけど空気にも重さがあるので、私たちは空気の深い海の底に住んでいる深海魚みたいなもの。
この空気の重みによる圧力が“気圧”です。
ポテチみたいな袋に入ったお菓子を標高1000mを超えるくらいの「浅い」場所に持ってくと、ぷくっと膨れて気圧が下がったのを実感できるのでぜひお試しを。

厚さが100km以上ある大気ですが、その中でも天気が変わる(=雲ができる)のは地面から10km程度の高さまでだけだったりします。
激しい雷雨をもたらすそびえ立つような積乱雲も宇宙から見ればこんな感じ。

積乱雲国際宇宙ステーションから見た積乱雲
NASA Image Gallariesより

雲ができる“対流圏”とその上の“成層圏”の間にはハッキリとした見えない壁があり、どんなに発達した雲もそこより上には行けません。壁にぶつかった雲は水平に広がるしかできません。

この壁を越えれないのは台風でも同じです。
台風の幅は何百~1000kmもありますが、高さはやっぱり10数km。平べったいお皿よりもさらに薄く、ちょうどCDくらいの形です。

宇宙から見た台風国際宇宙ステーションから見た2014年の台風第19号
宇宙飛行士Reid Weissmanのtwitterより

見上げる空は高く、深い。
でも、とても薄くて平べったい。

このことを覚えておいてください。
天気を理解するのにとても大切なことです。

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