寒気の渦×気温上昇=猛烈に不安定!

昨日の7月14日はまさに『ザ・不安定』といった感じの1日。
上空に寒気が居座る中、午前中は広く晴れて気温が上昇。
するとあちこちで積乱雲がモクモクと発達、あちこちで猛烈な雷雨になりました。

衛星画像とレーダー画像を並べてみると、いかに天気の急変っぷりがすごかったかがよく分かります。
この日、山に登ってた人は「山の行動は早いうちに」を徹底してないとかなり怖い思いをしたんじゃないかなと。

【10時】まだスッキリvis_20160714-1000rad_20160714-1000

【12時】あちこちで積乱雲発生vis_20160714-1200rad_20160714-1200

【14時】積乱雲元気いっぱい、これは怖い!vis_20160714-1400rad_20160714-1400

あっという間に積乱雲が発達していく様子は細かい時間間隔や動画で見た方がよく分かるので、ぜひひまわり8号リアルタイムWebで確認してみてください。

ちなみに、今回の不安定の原因となった「上空の寒気」は、ただの寒気とは一味違う凄いやつ。
普段よくやってくる寒気は寒気の“波”で、来たと思ったらすんなり東に抜けてきます。
不安定が顕著なのも「上空の寒気×日中の気温上昇」が成立する昼過ぎから夕方くらいまでで、夜になって地上の気温が下がってくれば大人しくなるのがよくあるパターン。

ところが今回は寒気の“波”ではなく、寒気の“渦”としてやってきました。
上空の寒気を衛星画像から見るには普段よく使う可視画像赤外画像ではなく、水蒸気画像がオススメ。
14日の水蒸気画像を見ると、日本海にクルクルっとした渦があるのがよく分かります。(動画だとベスト)
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こういった大気の流れから切り離された“渦”は動きが遅い上、ただの“波”よりも影響力大。
14日夜から15日にかけて、各地で夜もお構いなしで激しい雨を降らせていきました。

今回みたいな上空の寒気が悪さをする日は、地上天気図だけで判断するのはちょっと困難。
上空の天気図である高層天気図で寒気の強さやタイミングを把握する必要があります。

じゃ、どうやって見るの?というのはお天気講座に整理したいなぁと思いつつ、全然進まず…。
高層天気図の使い方も含めて山に必要な気象スキルをどう整理しようかと考えてるけど、うまく考えがまとまらず。
そのうちじっくり時間をかけて整理するつもりなので、のんびりお待ちください。

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