今日の天気図の見所は台風…ではなく、オホーツク海に中心をもつ高気圧。
三陸から関東に向って高気圧の足が南にのびてます。
“オホーツク海高気圧”は春から夏にかけて現れる、その名の通りオホーツク海に中心を持つ高気圧で、特徴はひんやり&しっとり。
オホーツク海高気圧が張り出す領域は低くてペッタリした雲に覆われ、気温も上がらず、時にはシトシト雨も。
こんな天気をもたらすオホーツク海高気圧からの北~東よりの風を、東北地方では「やませ」、関東では北東気流なんて呼んだりします。
そしてもうひとつ大きな特徴が、背が低い(厚みが薄い)ということ。
関東に流れ込んでくるときのヒンヤリした空気の厚みはせいぜい2kmくらい。
関東平野の西側の山を越えることはできず、関東はヒンヤリ曇り空、長野や山梨はアツアツ好天と対照的な天気になります。
今日も見事にそんな感じ。
日本海にある前線の雲が混じって分かりにくいけど、赤線で囲ったくらいがオホーツク海高気圧による下層雲
登山にとってこの厚さ2kmというのはなんとも微妙な数字で、関東平野周りの山の標高を見ると、武尊山2158m、谷川岳1977m、赤城山1828m、榛名山1449m、甲武信ヶ岳2475m、丹沢山1567m。
1000台半ばの山じゃまず雲の下か中だけど、武尊山や谷川岳といった2000m級だとうまくいけば雲の上に出て壮大な雲海を眺めれるかも?甲武信ヶ岳ならまず大丈夫そう。そんな感じです。
今回は北東気流が比較的厚みがありそうな上に前線の雲も混じるのであまりいい条件じゃないけど
・関東が北海道~三陸沖に中心を持つ高気圧の縁になる
・関東の天気予報は曇り&気温低め、長野や山梨の予報は晴れ&気温高め
の条件が揃う日は、登山口がモヤモヤでも雲の上に抜ける期待を胸に登ってみてください。
ちなみに、そうやって登った2015/10/23の谷川岳。
山頂は惜しくもガスの中だったけど、新潟側(土樽側)に下ると滝雲を見ることができたんでまあ納得、そんな結果でした。
左が関東側、右が新潟側
茂倉新道から振り返った谷川岳。関東側の雲が新潟側にぎりぎりあふれ出てるのがよくわかる景色。
登る日の気象条件からどんな景色が見れるか予想する、というのも山の楽しみ方のひとつかと。
プランニングの際は、登山地図と一緒に天気図もお供にどうぞ。
コメント
[…] 心で、長野や山梨といった標高の高いエリアへの影響は限定的。 中部山岳エリアはこれですっかり夏シーズンといってよさそうです。 (こちらも参考⇒オホーツク海高気圧と山の天気) […]
[…] たとえばこんなとき→<オホーツク海高気圧と山の天気> […]