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ハリケーンから台風へ→なりました

前回(ハリケーンから台風へ)取り上げたハリケーンHector。

ついにハリケーンHectorから台風Hectorへ改名して再デビュー(?)したんでその記録を。

ハリケーンHectorから台風Hectorへ改名したってことは、RSMC Honolulu@ハワイからRSMC Tokyoへバトンパスしたってこと。
8月14日3時(日本時間)から東経域に入りRSMC Tokyo管轄の“台風”になりました。

RSMC Honoluluでは“Hurricane”から“Tropical Storm”へ。Hectorの進路予報@Central Pacific Hurricane Centerに加筆

RSMC Tokyoでは“熱帯低気圧”から“台風”へ。台風情報@気象庁より

…これじゃいつもと変わらん!ってことで、8月14日3時のアジア域天気図から台風17号を拡大。

普段の“熱帯低気圧から発達して台風”のパターンとの違いを探してみてください。
こっちは8月13日9時にできた台風16号のとき。

元々TROPICAL STORM(最大風速34ノット以上)だった台風17号と、TD(TROPICAL DEPRESSION、最大風速34ノット未満)から強くなってできた台風16号。
そんな感じです。

しかし、こうした熱帯低気圧ネタを書くときは日本語と英語で微妙にズレがあるからなんとも書きにくい。

最大風速34ノット以上の熱帯低気圧は台風。
でも、最大風速64ノット未満の台風はTYPHOONではない、なんてことになってます…。
アジア太平洋域 実況天気図の説明@気象庁より

ハリケーンから台風へ

ハワイの近くにあって、日本のアジア域天気図にも姿が見えるハリケーンHector。もうある程度話題になってるけど、場所と進路がちょいと気になる状態です。天気図赤外画像@気象庁より

赤外画像に書き込んだ赤線は東経180度線(かつ西経180度線)。ハリケーンHectorがこのラインを跨ぐとちょっとめんくさいことに。

台風やハリケーン、サイクロンといった熱帯低気圧に対して、世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)の枠組みの元、世界で6つの熱帯低気圧地区特別気象センター(RSMC:tropical cyclone Regional Specialized Meteorological Centre)があってそれぞれ担当エリアの監視を請け負ってます。

日本周辺はというと、気象庁がRSMC Tokyoとして北西太平洋エリアの熱帯低気圧“台風”を担当。
地域特別気象中枢@wikipediaより

困ったことにたまにRSMCの担当エリアを跨いで移動するひねくれ者が出てくる。今回話題になってるハリケーンHectorがまさにこのパターン。

今のとこRSMC Honolulu@ハワイの管轄の元でハリケーンとして過ごしてるけど、このまま西へ進んで東経180度線を跨げばRSMC Tokyoが管轄する台風として看板を掛けかえることになります。
ハリケーンHectorの進路予報を見ても順調に西進するようなので時間の問題なのかなと。
Hectorの進路予報@Central Pacific Hurricane Centerに加筆

RSMC HonoluluからRSMC Tokyoへ。
どのタイミングで引継ぐか、両者の強度解析や進路予報に大きなズレはないか。
イレギュラーな事例に対してシステムはうまく動くか。
台風の現場では色々と大変だそうです。

ちなみに、普段の台風の名前はリストから順番につけてるけど、越境してくる場合は生まれ故郷の名前をそのまま引き継ぐルール。

ハリケーンHectorから台風Hectorへ。

日本への影響はまったくもって気にする段階じゃないけど、ひねくれ台風の誕生の瞬間にご注目あれ。

しっかし本当に色んなことが起きる2018年夏ですな…。

台風12号の憂鬱

なんとも珍しいコースをたどってる最中な平成30年の台風第12号。メモも兼ねて、なんでこんなコースになってるかゆる~く記録しときます。

主な登場人物(?)はもちろん台風12号。
そして、今回随分と脚光を浴びた気がする寒冷渦。

キャラ設定はこんな感じ

台風:熱っぽくて力は強いけど意志は弱い。他人の声(風)に流されやすい。
寒冷渦:大きな体(渦)で他人を巻き込むこと多数。周りの流れを気にせずマイペースに進む、ちょっと空気読めないやつ。偏西風にも避けられ気味。

それじゃ台風12号ができた7月25日から順番に。衛星画像は寒冷渦がわかりやすい水蒸気画像を使ってます。

7月25日 台風12号誕生
台:よっしゃ、夏満喫するぞ~!でも北西には高気圧あって進みにくいなぁ。あっ、北東になんかいやな流れがあるなぁ…。

7月26日 寒冷渦完成
寒:ありゃ、蛇行しすぎて偏西風に置いてかれてもた。しゃーない、西にでも行ってみるか。
台:(まずい、寒冷渦さんだ…こっちくる…)

7月27日 寒冷渦に見つかる
寒:おーい、12号やないか!ちょっとこっちこいや!
台:いや…ぼくこのまま北に行こうと…偏西風さん待ってるし…
寒:偏西風のやつは今いないから気にすんなって!な、こっちこいって!
台:えっと…はい…じゃあ少しだけ…

7月28日 本格的に巻き込まれる
台:あ、あのぅ…ぼくそろそろ北に向かお…
寒:こんな中途半端なとこで何いっとんや。せっかくやからもうちょっと付き合えって!な!

7月29日 泥沼
台:抜け出せないうちにこんなとこまできちゃったよぉ…
寒:ここまできたらオレらは運命共同体や!一緒に行くぞ!
台:いや、ぼくもうヘロヘロだし、長居すると迷惑かかる人いるし…
寒:そんなの気にすんなって!それよりよぉ、オレあんまり早く歩けねぇからちょっとそこで待っててくれや!
台:そ、そんなぁ(涙目)

7月30日 引き続き泥沼
台:ま、まだですか…?
寒:いま向かっとるとこやがな~。ほら、一緒におるとなんか楽しいやろ?
台:う、う~ん…

7月31日 吹っ切れてくる
寒:ふぅ、これでホンマに一緒や。仲良くしよや!
台:もうこの状況を楽しむしかないのか…?そう思ったらなんか体が軽くなってきたかも??

8月1~2日(予想) み な ぎ っ て き た !
寒:一緒も楽しいもんやろ~
台:そっすね~!あっはっは!(再発達)

こんな感じで気ままな寒冷渦に降り回される台風12号、そして台風予報。
最初はちょっと引っ張られて西よりに進むくらいだった予想が、ガッツリ巻き込まれて南下するまでになってしまいました…。

そして、台風に寒冷渦が追い付いて完全に一体化。ちょっと風変わりな台風として徐々に再発達しながらゆっくり西に進む予想。
雲の形を見ても一度ボロボロになった台風が渦としてキレイになってるのがわかるかと。

で、台風が抜けたら抜けたで再び猛暑が襲いかかる日々。
ほんと、とんでもない夏ですな…

台風の進路は風まかせ

南の海をふらふらと北上する台風15号。
このまま素直にまっすぐ北上してくれればいいのに、このあとグイッと西に曲がって本州に近づきながら北上する予想。どこまで日本に近づくか、どのくらい影響が出るのかちょっと気になる位置関係です。台風情報@気象庁から72時間予報と5日予報

台風このやろう!と言いたくなるけど、台風はきっと「おれに言われても…」なんて思ってるはず。
人からすれば凄まじく大きくて激しい自然現象である台風だけど、地球全体を見渡して考えると“小さな渦”。台風よりずっと大きなスケールの高気圧に東から邪魔されて、仕方なく西に向かおうとしてるってのが今の状況です。
この高気圧がどのくらい張り出して、どのくらい台風が大回りさせられるかが今回の台風進路の最大のポイント。ここを越えないことにはなかなか台風予報の“幅”が狭まってきません。

そして高気圧を回って北上した後は、いつ偏西風の影響を受けるかが次のポイント。
今回は日本の近くに北上した頃に西から大きなトラフ(気圧の谷)が近づく予想。このトラフも台風に比べるとずっと大きな存在なので、台風はついつい引き寄せられることに。

どんなタイミングで北上して、どのくらいトラフの影響で西に寄るか。
その予想は世界各国の数値予報でもまだバラツキの大きい状態。
北&東日本は今週末にかけて天気予報が変わりやすい状況が続くので最新の情報に注意してください。

雨や風に注意するのはもちろんだけど、今の予想だと31日~1日あたりは台風がグイグイと北の冷たい空気を引き込んでかなり気温も下がりそう。何も考えずに半袖で出かけると寒い思いをすることになるかもしれません…。
関東の東にある前線がヒンヤリと大雨の境界線。今後の予想天気図&気温予想にもご注目を。

そろそろ山行きたいのに台風やだなーとは思いつつ、天気図もメリハリが出てきてだいぶ秋っぽさがでてきた感じ。移動性高気圧を掴んでスカッとした秋空を満喫したい。そんな視点で天気図を見るのが楽しい季節になってきました。

台風予報の別れ道 ~台風は山が嫌い~

南の海でずいぶんとのんびり過ごして長い一生を満喫してる台風第5号。さんざん迷走したあげく、ここにきてまた予報官の頭を悩ませる事態に突入中。

14時発表の台風位置と進路予想がコチラ。四国を掠めながら間もなく紀伊半島に上陸。そのあと本州ド真ん中を突っ切って北東に進む(ように見える)予想。

そして、こちらが明日朝の予想天気図。よ~~く見ると、本州ド真ん中よりほんの少しだけ北よりに見えないこともない。

え?見えない?
じっと見てるとそんな風に見えてくる、はず。
いや、やっぱりこないかも…。

そんな見える見えないは置いといて、今回の台風予報と予想天気図に籠められた想いを知るには2つのポイントを押さえる必要があります。

まず、台風の予報円について。
気象庁の台風情報を見ると、すぐ下に書いてある大事なこと。

『台風の中心は必ずしも予報円の中心を結ぶ線に沿って進むわけではありません。台風の中心が予報円に入る確率は70%です。』

台風の予報円はあくまでも確率70%をカバーする領域であって、必ずしも中心を通る可能性が高いわけじゃないです。
台風の進路が変わりそうなタイミングで「あっち?それともこっち?」な状況になってどっちも可能性がある場合、台風の予報円はどっちの進路もカバーするように大きくなる。そして、実際に進む可能性が高いのは予報円の中心ではなく、予報円の両端どっちかという状態になることも。

そして2つめのポイント、台風の“性格”の問題。

台風は大きくてエネルギーあふれる現象だけど、その厚み(高さ)はあくまでも対流圏の中に収まる10数km。
そんな“薄っぺら”な現象である台風にとって、本州の真ん中にそびえる2~3000m級の中部山岳エリアは結構邪魔な存在。台風の厚みを人の身長だとすると、中部山岳エリアは膝の高さくらいの障害物。
勢いよく進めば乗り越えれなくもないけど、ふらふら歩くには自然と避けてしまう、そんな存在です。

台風が本州の中部山岳にぶち当たりそう。
このまま乗り越えるかなぁ。日本海側か太平洋側に避けるように進む可能性も結構高いはず。
どう進むかはホントに難しいけど…可能性が高いのは北側だ!!

といった予報官の葛藤と決断が今日の台風予報と予想天気図には籠められてます。

この結果が分かるにはもう少しだけ時間がかかりそう。

もし仮に今後台風の予想進路が南寄りになれば天気や各種防災情報の中身が大きく変わる可能性もあるんで、これから明日にかけては特に最新の情報にご注意ください。

台風の名前、ちょっと変わります

台風が生まれるとその年の第●号と呼ぶのが一般的だけど、そのほか名前がつけられてるってのを知ってる人もそれなりにいると思います。

どうやって付けてるかというと、台風に縁のある国々による台風委員会という組織で名前リストを作成。台風ができるたびに順番に付けるって方式。この台風の名前リスト、大きな災害になった台風などは欠番的な扱いになり、名前リストから削除&同じ名前の台風にならないようにしてたりします。
詳しくは台風の番号の付け方と命名の方法@気象庁をどうぞ。

そして今年もまた台風の名前の見直しがあり、どんな変更になるかという資料が配信資料に関する技術情報@気象庁に掲載されました。

変更になる名前はこちら。

日本からリストに挙げた名前では「コップ」が消えて「コグマ」が登場。

台風:コグマ

なんかイマイチ警戒する気にならないような響き。
いやいや、小熊を見たら近くに親熊がいると思え、が山の鉄則。
そう思えば名前がかわいいからと侮る無かれ?

そもそも、日本がリストに載せてる名前は星座由来で今回のコグマ以外にもヤギやウサギ、トカゲなど台風っぽくない名前も多くあります。
台風の名前として登録するには他の国の変な意味の言葉と似てないことや他の国が嫌悪感を持たない言葉である等、色々と考慮する必要あり。
いかにも日本っぽい名前は戦時の艦艇や航空機であらかた使っちゃってるのでまず使えず、無難なネタとして星座が選ばれたって話だとか。

去年(2016年)の最後の台風、第26号は「ノックテン」だったんで今年の第1号は「ムイファー」から始まることに。
なかなか生まれない2017年度の台風第1号。
出来たときは名前にもちょっと注目してみてください。
台風コグマは少し前に使ったコップの後釜なので、実際に登場するのはまだしばらく先のことになりそうです。

南の海にはちょっとまとまった雲域があるけど、まだ発達する素振りは見えず。どうなるかなぁ。

台風に関する過去データは台風の統計資料@気象庁デジタル台風でどうぞ。

今年の台風はややのんびり。
でも、2016年もやっとできたと思ったら怒涛の追い上げで結果を見れば平年に近い結果、そんな年でした。

竜巻注意情報が(ちょっとだけ)細かくなります

昨日(11/3)うまれた台風23号。
北海道じゃ大雪の話題も出てきたけど、台風の生まれ故郷である南の海はまだ夏の余韻が残ってポッカポカ。
平年値でみると11月はまだ2個くらい台風が発生して、2年に1回くらいは日本のどこかに近づいてきてもおかしくない季節です。
日本に張り出す高気圧のおかげで今回の23号は特に影響がなさそうだけど、頭の片隅には台風のことをいれてやっといてください。
taifu-number台風の発生、接近、上陸、経路@気象庁より

もちろん、この時期は来るかどうかわからない台風よりも、確実に繰り返しやってくる北からの寒気のほうが影響たっぷり。
秋の比較的暖かい&湿った空気が残る中に、冬の寒気が流れ込むこの季節。
雨の量としては夏にかなわないけど、雷や突風、雹といった短い時間に変化する激しい現象は今が旬です。

気象庁が出す竜巻の情報といえば竜巻注意情報
※よく間違えられるけど“注意報”じゃなくて“注意情報”です
●●県じゃ今まさに竜巻がおきやすいですよ!とお知らせするこの情報。
12月15日から県をいくつかに分割したもう少し細かいエリア毎に出すように変わります。
tatsumaki-kaizen
竜巻注意情報の改善について@気象庁2016/11/4より

ただ、細かくなるとはいっても●●県の北部、南部といったザックリした情報。
同時に精度も今までよりそれなりに良くなる(はず)とはいえ、危険を察知するのも対応するのも各個人の五感と判断力によるところが圧倒的に大きい状況は変わりません。

この時期の天気急変の主役、寒冷前線は様々な視点でとっても分かりやすい現象。
山だけでなく普段の生活でも気にしておくと急な雨や寒さにビックリする必要もないのでぜひチェックを!
天気図レーダー衛星画像はお天気三種の神器です。

そろそろ秋を感じる3連休

10月だというのに今日も関東を中心に30度越え。
ほんとに暑いっ!temp-kanto_20161006-1200
こんな日には「今年の秋はこないのか?」なんてことを聞いてくる人もいたりするけど、ちゃんと秋の気配は近づいてるのでご安心を。

ためしに一足お先に秋を感じてる北海道の気温を見てみると・・・tem-hokkaido_20161006-1700
さむっ!
秋を通り越して冬の気配すらする寒さ。なんでこんなに寒いかというと、実は台風18号の置き土産だったりします。

暖かい空気の塊だった台風18号は、昨日(5日)の夜に温帯低気圧への変身が完了。
温帯低気圧は進行方向の前面に南からの暖かい空気を、後面には北からの冷たい空気を運びこむ構造です。
この低気圧が北海道の東に進み、ちょうどグイグイと冷たい空気を引きずり込んでるのが今の状況。spas_20161006-15

これを数値予報の資料で見てみたのがこちら。
今日(6日)の9時と21時、それぞれの850hPa(上空約1500m)の気温の変化です。fxfe_20161006-00

朝には北海道の北側にあった0℃のラインが夜には北海道の南まで一気に南下していて、なかなかの寒気移流です。
このくらいの気温だと標高が高めの峠では雪が積もるとこもありそうで、少し前には「そろそろ北海道に冬が来るから準備してね」な気象情報も発表されてたり。<雪に関する北海道地方気象情報@札幌管区気象台>

ただ、今回の寒気が影響するのは北海道が中心で、関東以西にはあまり関係ないため厳しい残暑が継続中。
でも、週末になると本州にも秋の雰囲気がただよいそうな予感が。

こちら、8日の予想天気図と、8~10日の上空の数値予報資料。左が500hPa(上空約5500m)の大気の流れ、右が850hPa(上空約1500m)の気温を示してます。
fsas48_20161008-09fxxn_20161005-12
8日に日本海にある2段の前線&低気圧をもたらすのは500hPaに赤線で引いたこのトラフ(気圧の谷)。
この前面では南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線は活発になって全国的に雨模様。
9日になるとこのトラフ&低気圧は東に抜けて西から次第に天気回復、そんな予想です。

そして注目はこのトラフの前後で気温がどう変わるか。
8日にはトラフの前面で北に膨らんだ9&15℃のラインが、トラフが抜けた後の9~10日にはグッと南に押し下がる予想。
この南下した寒気はしばらくそのまま居座りそうで、週間予報を見ても10日あたりからはだいぶ暑さが落ち着いた予想気温が続いてます。
もちろん山も気温がグッと下がるわけで、この週末以降は本格的な寒さ対策が必要になってきます。

8日は天気が悪いので9日(後半)から10日の行動を柱にプランを組むのがオススメ。
10日も日本海側に面した山はちょっとした寒気移流で風当たりが強い&天気の回復が遅れそうなので、北アルプスの中でも南寄りの山や中・南アルプスあたりだとキリッとした空気に包まれた好天を味わる可能性が高そうです。
まだまだ体の寒さ耐性ができてない時期なので特に念入りな防寒対策でどうぞ。

そんなぼくも9~10日で南アルプスに出没予定。
紅葉がきれいだといいなぁ。

台風+トラフ→元気な温帯低気圧

オリンピック一色に染まるニュースの中でも負けずに存在感を放つ、台風7号。
関東に上陸するか脇をすり抜けるか、なんとも微妙なコースで北上中です。fsas_20160816-12

こんな時はついつい南の台風だけを追いかけそうになるけど、西から進んでくる“気圧の谷(トラフ)”にもご注目。
水蒸気画像を見ると、朝鮮半島あたりに見える黒いクサビ状の波。これがトラフです。
黒くて、尖がってるほど「深い(=明瞭な)トラフ」で、今回はなかなかのシャープさ。wv_20160816-1200
可視画像でも、台風本体とは離れた日本海にまとまった雲が。これがトラフによって発生・発達している雲域です。vis_20160816-1200

気圧が浅くて暴風域も持たず、台風としては特に強くない台風7号。
でも、もう少し北上するとこのトラフと結びつき、温帯低気圧に性質を変えながら最発達しそう。
このため今夜から明日朝の関東、明日日中の東北、明日夜の北海道と東日本の広い範囲で影響が出るという予報になってます。

こんなときによく問い合わせを受けるのが台風(熱帯低気圧)と“普通の低気圧”(温帯低気圧)との違い。

台風の特徴を一言であらわすなら『あったかくて丸いやつ』。
熱帯起源の暖かい空気だけで構成され、丸い(=対象性がある)のが重要なポイントです。

これに比べて温帯低気圧は『あったかい×つめたい(+丸くない)やつ』。
南の暖気と北の寒気が交じり合い、その境目に前線を伴うのがスタンダードな姿。

台風7号はだいぶ崩れてきたけど、まだ丸い形をなんとか維持。
これがどんどん形を変えて温帯低気圧としての性質を強めながら北上していくはず。
気象庁では台風としての特徴が完全になくなった時点で「温帯低気圧になりました」と解析しているので、もう台風じゃないんじゃない?といった問い合わせを受けることもしばしば。

これから雲の形がどう変わり、いつ天気図で温帯低気圧になるかも台風の楽しみ方です。

もちろん、何よりも優先して災害への備えはお忘れなく!
まずはざっくり、全般気象情報をどうぞ。

ちなみに、台風が通り過ぎた後も残り物の暖湿気×トラフで不安定な状態が続きそうな雰囲気。
今回は台風一過でスッキリ!とはいかない予想なので台風通過後も急な強い雨や雷にご注意を。

台風7号、襲来?

好天に恵まれて初の“山の日”を満喫したと思ったら、これからずいぶんと怪しい1週間になりそうな予想。

15日から16日は下層の湿った空気×上空の気圧の谷の組み合わせで全国的に大気の状態が不安定に。
特に15日は山に限らず天気の急変に要注意。
水蒸気画像を見ると、15日にやってくる気圧の谷(ちょっと黒く見えるところ)の近くでポコポコと積乱雲が発生しているのがわかります。wv_20160814-1500

そして17日以降。
今朝発生した台風7号が本州の近くまで北上してくる上、日本の東にはど~んと高気圧が張り出す予想。typhoon1607_20160814-15fsas48_20160816-09
こうなると台風のお供としてやってくる熱帯生まれの猛烈に湿った空気は高気圧の縁をまわりこみ、東日本を中心に続々と流れ込むことになります。
こうして山も平地もまとまった雨になりそう。
もちろん台風の近く(特に東側)では強風も重なり、とても外遊びどころじゃありません。

山は逃げない。そして天気も変えられない。
人にできるのは天気と上手に付き合うこと、それだけです。

楽しいはずの時間を急な事故に変えないために、今週は無理をせずのんびりと過ごすのもいいと思います。

天気が悪くて外遊びをする気にならない時は、天気について学ぶ絶好のチャンス。
ぜひ天気図雨雲レーダー衛星画像あたりを眺めてみてください。
台風ウォッチングをするなら台風情報と共にひまわりリアルタイムWebがオススメです。

もしこのまま行けば今シーズンの渇水問題も一気に解決しそう。
ほどほどに降ってくれるのが一番なんですが…。利根川上流主要8ダム貯水量@関東地方整備局
kanto8dam_20160814