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台風の進路は風まかせ

南の海をふらふらと北上する台風15号。
このまま素直にまっすぐ北上してくれればいいのに、このあとグイッと西に曲がって本州に近づきながら北上する予想。どこまで日本に近づくか、どのくらい影響が出るのかちょっと気になる位置関係です。台風情報@気象庁から72時間予報と5日予報

台風このやろう!と言いたくなるけど、台風はきっと「おれに言われても…」なんて思ってるはず。
人からすれば凄まじく大きくて激しい自然現象である台風だけど、地球全体を見渡して考えると“小さな渦”。台風よりずっと大きなスケールの高気圧に東から邪魔されて、仕方なく西に向かおうとしてるってのが今の状況です。
この高気圧がどのくらい張り出して、どのくらい台風が大回りさせられるかが今回の台風進路の最大のポイント。ここを越えないことにはなかなか台風予報の“幅”が狭まってきません。

そして高気圧を回って北上した後は、いつ偏西風の影響を受けるかが次のポイント。
今回は日本の近くに北上した頃に西から大きなトラフ(気圧の谷)が近づく予想。このトラフも台風に比べるとずっと大きな存在なので、台風はついつい引き寄せられることに。

どんなタイミングで北上して、どのくらいトラフの影響で西に寄るか。
その予想は世界各国の数値予報でもまだバラツキの大きい状態。
北&東日本は今週末にかけて天気予報が変わりやすい状況が続くので最新の情報に注意してください。

雨や風に注意するのはもちろんだけど、今の予想だと31日~1日あたりは台風がグイグイと北の冷たい空気を引き込んでかなり気温も下がりそう。何も考えずに半袖で出かけると寒い思いをすることになるかもしれません…。
関東の東にある前線がヒンヤリと大雨の境界線。今後の予想天気図&気温予想にもご注目を。

そろそろ山行きたいのに台風やだなーとは思いつつ、天気図もメリハリが出てきてだいぶ秋っぽさがでてきた感じ。移動性高気圧を掴んでスカッとした秋空を満喫したい。そんな視点で天気図を見るのが楽しい季節になってきました。

涼しすぎるけど冷夏じゃない、かも?

結構暑かった7月から一転、グダグダな天気が続いてる8月の北~東日本。さすがに大きな影響出るんじゃないかってことで、気象庁から報道発表資料が出てきました。
平成29年(2017年)8月前半の北・東日本太平洋側の不順な天候及び沖縄・奄美の高温について@気象庁

いまどんな状況かは、この図がすべて。北海道から東北地方の太平洋側~関東にかけて、低温と日照の少なさが顕著です。ほんと、関東暮らしな自分も今月になってからまともに太陽を拝んでないような気が…。
夏の主役であるべき太平洋高気圧がサボってるのと、冷たい海に居座るオホーツク海高気圧から送り込まれるひんやり&しっとりな北東風が原因という解説も素直に納得できるかと。いわゆる“やませ”です。(関東地方だけで見るときは“北東気流”と表現することが多い)

でも、関東に住んでる人が「あれ?」と思いそうな資料も混じってたりします。
それはこちらのエリアごとの平均気温差。
これだけスッキリしない天気が続いといて、東日本の太平洋側では平年に比べてたった0.2℃低いだけ。
そんなバカな、もっと低いはずだ!なんて感じても不思議じゃありません。

これにはちょっと理由があって、気象庁が定義する「東日本の太平洋側」は「関東+甲信地方」ということ、そして“やませ”の特徴を知る必要があります。

“やませ”として北~北東から流れてくる冷たい空気は地上から1~2km程度の厚みしかなく、高い山は越えることができません。大きな影響が出るのは冷気がせき止められる北海道~本州の東側が中心で、特に日照時間の分布を見るとこのことがよく分かります。

ちょうど今日もそんな感じで、12時の衛星画像日照時間気温の分布がこちら。
東北地方の太平洋側から関東平野はペタッとした雲に覆われてくもり&気温低め。でも山を越えた先になる長野~山梨エリアは結構雲の隙間から日照があるし気温も高めになってます。
グズグズな関東から北アルプスに行ったら思った以上に天気が良くて幸せ~!!な人も結構いたんじゃないかなと。

「東日本の太平洋側」は「気温の低い関東」と「気温が高めの甲信」全体の平均。
このため関東の人は「もっと低いだろ~」と感じることに。逆に甲信の人は「そんなに低くないけど?」と思ってたりして。

ちなみに、気象庁が“冷夏”を判断するのは夏と定義してる6~8月全体の平均気温がどうだったか。
7月はかなり気温が高かったので冷夏と判断されるかはちょっと微妙なところ。
これだけ8月が涼しかったあとに「(平均すれば)平年並みの夏でした」と発表しようものなら問い合わせが殺到するのは目に見えてるので、担当部署の人はちょっとやりにくい思いをしてるかもしれません…。前3か月間の気温経過@気象庁より

そして、この先どうなるかもとっても気になるところ。今日発表の1ヶ月予報では、来週以降は気温が持ち直して夏の名残りくらいは楽しめるという予想。
そうなることを信じて夏らしい遊びができるのを待ちましょう!

春の高気圧

5/12・13と気持ちよく晴れたおかげで山の上じゃとっても素敵な景色が広がってたみたい。
たとえば穂高岳山荘→晴れ!@ぼちぼちいこか
特に5/12は空から日本を見ても見事な色鮮やかさ。
vis_20160512-1200~ひまわり8号リアルタイムウェブ~
でも、悲しいかなぼくは平地から富士山を眺めるのみ。
久しぶりに3000mの空気が吸いたいです・・・。

そんな泣き言はおいといて、今回は“高気圧”の話。

5/11から5/14まで12時の天気図を並べたのがこちら。
今回の素敵な天気をくれたのは赤矢印の高気圧です。

spas_20160511-13
spas_20160512-12
spas_20160513-12
spas_20160514-12

高気圧の脇に書いてある「35km/h」は高気圧の移動速度。
こうやってどんどん動いてく高気圧は「移動性高気圧」と呼ばれます。

春と秋は高気圧と低気圧が交互に通り過ぎ、あわせて天気が周期的に変わる季節。
高気圧がくると天気はいいし、低気圧がくると天気が悪い、というのは常識レベルの話。
でも、高気圧は下降気流、低気圧は上昇気流、となるとちょっと怪しい人も多いはず。
さらに、基本的に上空の空気は澄んでる(チリや水蒸気が少ない)、地面近くの空気は濁ってる(チリや水蒸気が多い)という知識を加えると今回のスッキリ景色の理由が見えてくる。

足早に低気圧と高気圧が駆け抜けるこの季節は上昇気流と下降気流のメリハリも大きく、高気圧がくるとググッと上空の綺麗な空気を低いところまで引きずり降ろしてくれる。
そしてその綺麗な空気の中に入ると、今回みたいな遠くまでクッキリ!な景色に出会えるわけ。

ある程度の高さの山に登ったときに『遠くの山々はスッキリ!でも下界はモヤモヤしてる…』な景色に会った事がある人も多いんじゃないでしょうか。
それはせっせと登ったことで地面近くの濁った空気の中から上空の澄んだ空気の中に抜け出したことによる変化だったりします。

いっぽう、夏の高気圧はこんな感じ。
spas_20150806-12

高気圧の脇に「ほとんど停滞」と書いてあるように、夏の高気圧(太平洋高気圧)あまり動かない。
高気圧/低気圧の変化がないので下降気流の勢いは弱く、晴れてはいてもモヤモヤっとした空気に覆われてます。

春は天気の変化が早くてタイミングよく好天を捕まえるのが難しい時期だけど、予想天気図で移動性高気圧がど~んと目的地の上に乗っかってる場合は絶景を期待して登ってみてください。天気図@気象庁
ただし、春の好天の前後には悪天がもれなくセット。
くれぐれもご注意を!