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南極の基地は動きたい

南極と宇宙のコラボ、JAXA×極地研×MISAWAが共同で開発した南極移動基地ユニット。
ぼくたち60次隊と入れ違いで61次隊が持ち込んでたけど、ついに昭和基地で組み立て実証実験が始まりました。
動く秘密基地@観測隊ブログ(国立極地研究所)より

ソリに載せて運べるコンテナ型の建物(カブースって呼んでる)は観測隊ですでに使ってて、いろんなところで活躍中。

雪上車整備に必要な部品や機材を満載した機械カブースだったり、

観測・研修拠点となる観測カブースだったり。

2段ベッドを載せた居住カブースなんてのもあったりします。

今回新たに開発された南極移動基地ユニットが凄いのは動くだけじゃなくて、ソリに乗るサイズが上限だったのを連結して拡張できるってとこ。
この組み立て&運用を実際に南極でやってみようぜ!ってのが今の実証実験です。

表面が雪に覆われた氷の大地が広がる南極大陸。
ここに施設を作る上で“動ける”ってのは超重要!
設置までの移動はもちろんだけど、設置した後もブリザードが来るとドリフト(吹き溜まり)が付くし、固くしまってる雪も重いものを載せるとゆっくりと沈み込むため施設の維持管理が猛烈に大変だったりします。
ちなみに昭和基地はしっかりした岩盤の上に立ってるんで沈み込む心配はない代わりに、沿岸部で降雪量は多いんで除雪は大変です。

話を南極大陸に戻して、こちらが日本の観測隊が大陸で活動する拠点としてるS16/17ポイントにある建物。
気象関連の機械を整備しに2019/1に行った時の様子。

それから数か月経ち、次に2019/4に行った時にはこんな状態。
すっかり早くなった日没にプレッシャーを感じつつカチコチ雪に封印されたドアを開けるのに結構頑張りました…

さらに半年経ち、2019/11に内陸旅行内陸旅行の帰りに寄ったときはこんな姿に。
屋上に設置した機器や入り口をマーキングした赤旗がないと、ここに建物があるとは気づきません…

それでも機器のメンテはしなきゃいけないわけで、なんとか中に入りたい。
60次終盤は海氷の状態が悪くて人や車両を大陸に送り込めず、61次が来てからしらせから多大なる支援を受けて人海戦術でなんとか対応。

元々は高床式の建物として作っても今ではこの有様。
“動かない基地”はいつかこうなる宿命なので、いざとなれば引っ張り出せるソリに載った状態が理想。
でもソリの大きさには制限が…ってことで今回の合体ユニットが登場したわけです。
運ぶの簡単、中は快適だし、組み立て&バラすのもそこそこ簡単、なはず。

ちなみに、南極大陸に停めてる雪上車も1年くらい経つとこんな状態に。

これ以上穴が深くなって完全に埋もれる前にせっせと這い上がる作業が必要になります。
内陸旅行の帰り道でそんな作業もしてきたんで力強く這い上がるSM100の姿を動画でどうぞ。