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南極観測隊の基本の「き」~夏隊と越冬隊~

冬至(ミッドウィンター)を過ぎ、極夜も開けて越冬生活もそろそろ後半戦に突入する60次南極地域観測隊の越冬隊。
そういえば観測隊の全体スケジュール、そして夏隊&越冬隊について書いてなかったんで今回はその話を。

日本の南極観測隊は大きく分けて2つの部隊、夏隊と越冬隊がいます。
読んで字のごとく、夏に仕事するのが夏隊。
冬を超えるのが越冬隊。

…ってだけじゃ仕方ないんでもう少し詳しく。

気温や日照時間の細かい話は昭和基地ってこんなとこ(気候編その1)で書いたけど、昭和基地の1年をざっくり図にするとこんな感じ。
比較的暖かく天気も穏やか、そして1日中明るい“夏”が1月を中心とする約2ヶ月間。
夏を挟んで短い春&秋があって、あとは長~い冬。

この短い夏を利用して“しらせ”は昭和基地に大量の物資と人員を運び、短期集中で仕事して、冬が来る前に昭和基地を離れる。
これが夏隊。
“よりもい”のキマリたち女子高生組はこの夏隊って設定でした。

一方、越冬隊は夏隊が昭和基地を離れてる間も残留。
長い冬も観測&基地機能を維持してから翌年のしらせで帰るため、昭和基地には1年ちょっといることになります。
“よりもい”の吟隊長やかなえさんといった観測隊メンバーはこの越冬組が多い描画だったなと。
60次隊だとざっくり夏70人、越冬30人って構成比になってます。

さて、この夏隊&越冬隊の流れをぼく達60次で追っていくとこんな感じ。

夏隊&越冬隊は一緒に日本を出発、12月末に昭和基地入り

冗談抜きに24時間働けますか的なノリで作業を行う夏作業。
大規模工事したり
昭和基地から遠く離れたエリアで調査したり
前次隊の59次隊から引継ぎをもらいつつ各所で作業。

夏にどんなことしてるのか興味のある人は夏隊の公式活動記録である60次隊NOW!@極地研第60次南極地域観測協力@海上自衛隊をどうぞ。
自分が何をしたのかも記録したかったけどもう半年くらい経ってしまった…。

とにかくバタバタしてるうちに短い昭和基地の夏は一瞬で過ぎ去り、2月1日には越冬交代式で基地の管理人が59次越冬隊から60次隊越冬隊に引き継ぎ。

そして60次夏隊と59次越冬隊は昭和基地を離れてく。
特に猛烈に濃い時間を共に過ごした60次夏隊の仲間との別れは涙涙でした…

今、昭和基地にいるのは60次越冬隊の31人のみ。
極夜が明けて次第に明るくなる中で様々な屋外作業が本格的に動き出そうとしてる時期です。

一方、国内では7月1日に61次隊の隊員たちが集う“隊員室”が極地研にオープン。
昭和基地の60次隊と、国内で準備する61次隊との間で様々な情報交換が行われてます。
国立極地研究所@Facebookより

まだちょっと先だけど、年末年始には61次隊が昭和基地に到着。
61次隊の夏作業、そして60次越冬から61次越冬への諸々の引継ぎが終わってから、ぼく達60次越冬隊は61次夏隊と一緒に帰国することになります。
日本に着くのはまだしばらく先の2020年3月後半の予定。

そして61次隊から62次隊へ。
こんな夏~越冬の繰り返しで日本の南極観測隊は成立してます。

この辺の観測隊の全体像を詳しく知りたかったら極地研が出してる公式解説本?なこちらがオススメ。
よりもい好きもファンブックからさらに南極観測隊そのものに興味をもったらぜひどうぞ。

経験者曰く、極夜が明けた後は時間経つのがめっちゃ早い、とのこと。
確かに越冬の間にやることがまだまだ山積みで頭が痛い…。

でも、しばらく昭和基地に引きこもってた時間が終わってこれからは基地を離れて活動することも増えてくる楽しみな時期。
引き続き頑張る&楽しんできます!

南極の夏の終わり

南極の夏の風物詩といえば、何といっても1日中太陽が沈まない“白夜”。

12月中旬、南極に向かって南下するしらせで白夜が始まり、それからず~っと太陽が沈まない時間を過ごしてきました。
最初は夜中でも真っ青な空に違和感を感じたけど、いつの間にやらすっかり慣れてた昭和基地暮らし。
何時までだって働けるぜ!的なノリで走り続けたこの1ヶ月。

でも最近、ちょっと息切れしてきた体で見上げる空が、夜中になると夕方っぽい雰囲気が濃くなってきた。

そしてついに。1月21日の未明、0時過ぎ。

地を這う太陽からの…

久しぶりの日没

そして約30分後、今さら感あふれる2019年の初日の出

遠くに見える山影からチラッと覗いた初日の出。
キレイではあったけど、丘の上で風に吹かれて寒かったもんだから拝んで早々に撤収しちゃいました。

あっという間に1月も残りわずかになり、2月1日には昭和基地の主役が59次越冬隊から60次越冬隊へと引き継がれる越冬交代式。
同時に60次隊の夏隊の作業の多くも締めに入り、しらせも離岸。
賑やかで慌ただしい昭和基地の夏が終わり、越冬隊だけで過ごす冬が始まることに。

だんだん融けてきた海も、そのうちまた凍りはじめるはず。
夜中の景色に夏の終わりを感じる1月下旬です。

めざせ!南極気象予報士(決定版)

先週6月22日に文部科学省から出たこちらの報道発表。
第60次南極地域観測隊員等の決定について@文部科学省

第152回南極地域観測統合推進本部総会で第60次南極地域観測隊員の大部分が決定。
その中にはぼくの名前も。

ってなわけで。

今年の11月から、約1年半。
第60次南極地域観測隊(越冬)の一人として南極に行ってきます!

4月に所属部署が変わったことで事実上の準備は始まってたけど、ついにこうして〝決定〟まで来たのは大きなひと区切り。
南極地域観測隊の候補者から正式隊員となる上での最大の障壁〝健康判定〟を無事にクリアしたってことになります。

今の立場はこんな段階↓第60次南極地域観測隊の行動予定@国立極地研究所(以下、極地研)より

わざわざ赤字で「身体検査の進捗により~」と書いてるあたり、いかに重要ポイントかが伝わるかと。
どんな検査をするかは健康判定の検査項目@極地研をどうぞ。

色々と人生初の検査があって面白くもあったけど、もちろん結果が出るまではドキドキ。
どうやら検査の時点で指摘された虫歯の対処でせっせと歯医者に通ったくらいで無事に終わったみたい。

夏期総合訓練(通称:なつくん)もすでに終わり、各隊員は自分の任務に必要な訓練、物資の調達&梱包と慌ただしい準備が本格化。
しらせが日本を出発する11月にかけて怒涛の数ヶ月になる、らしいです。

夏訓では南極地域観測隊が成り立つための仕事や任務について色々と教わったけど、文明圏から離れた場所で昭和基地というひとつの街を維持するだけでもホントに大変なんだなぁと。

南極がどんなとこで、どんなことをしてるのか。

何よりぼくの志望動機の柱である、どんな景色が広がり、どんな自然現象が起きるのか。

その辺をキャッチーでウィットでセンセーショナルに伝えてきます!

…とはいっても、南極に向けて出発するまでまだ5ヶ月くらいあるんで、それまでは日常の気象ネタと南極ネタが入り混じるごちゃごちゃした内容になりそうな予感。
ブレブレな軸のことは気にしないでください(^^;)