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近くてホントに良い山、谷川岳

埼玉県から始発電車とバスを乗り継いでの谷川岳。先週の武尊山の苦労があったから、公共交通だけで9時にロープウェー乗り場につくありがたさが余計に身にしみる…。

さて、今日の谷川岳がとんなだったかというと「山と天気の神さま、ほんとありがとおぉぉぉ!」と山頂で叫びたくなる状況。
昨日降った雪のおかげでしっかり純白モード。
これを春の穏やかな陽気の中で見れる贅沢さに、ただただ感謝な1日でした。ほんと、冬に目の当たりにする自然の造形は凄まじいとしか言いようがないです…。

ただし、新雪に覆われてキレイになった下に潜む怪しい罠も多数。
雪庇ができるような稜線部には結構な数のクラックができてて、新雪で隠されてるもんだからハマってる人も結構いたっぽい。
ぼくは後発組だったからもう見えてたけど、先発組はかなり邪魔されたんじゃないだろか。
できるだけクラックの落ちる側は歩かないようにしたけど、仕方ないような場所は頼むから動くなよ~と祈りながらの通過でした。

それなのに!
明らかにクラックの先、雪庇先端部まで行って写真をとってる人も。
同じパーティーの仲間からそこはやめとけ、危ないからと言われても「大丈夫だって」との返事。そんな人にわざわざ声をかける気にもならず、頼むから目の前で落ちないでくれよと呟くのみ。
根拠のない「大丈夫」でリスクに突っ込む典型的な光景でした…。
雪もしまって暖かくなってどんどん気分は春だけど、危険を察知するセンサーのスイッチだけは切っちゃいかんと気持ちを引き締めるきっかけにはできたかなと。

あと、今日嬉しかったのは初めて生で動いてる雪崩を見れたこと!
谷を挟んで反対側の急傾斜の上端から崩れはじめ、大きくなりながら斜面下端の谷部まで到達。
春の全層雪崩だからあんまり早さはなかったけど、直に見れた&音を聞けたのはホントに嬉しかった。

ちょっと気になったのは、雪崩が届いた谷にはバックカントリーのトラックが複数あったってこと。
急傾斜のオープン斜面を滑り終えてベースに戻る消化試合みたいな箇所だけど、日差しをもろに浴びる南面はまだいくらでも崩れそうなとこはあったから上方斜面からの雪崩には本当にご注意を…。

たぶん、ちゃんと雪山な山に登るのは今シーズンはこれでおしまい。
冬に感謝しつつ、春モードに切り替えていこうと思います。

さらば冬よ。また来年よろしく!

オホーツク海高気圧と山の天気

今日の天気図の見所は台風…ではなく、オホーツク海に中心をもつ高気圧。
三陸から関東に向って高気圧の足が南にのびてます。
“オホーツク海高気圧”は春から夏にかけて現れる、その名の通りオホーツク海に中心を持つ高気圧で、特徴はひんやり&しっとり。
オホーツク海高気圧が張り出す領域は低くてペッタリした雲に覆われ、気温も上がらず、時にはシトシト雨も。
こんな天気をもたらすオホーツク海高気圧からの北~東よりの風を、東北地方では「やませ」、関東では北東気流なんて呼んだりします。

そしてもうひとつ大きな特徴が、背が低い(厚みが薄い)ということ。
関東に流れ込んでくるときのヒンヤリした空気の厚みはせいぜい2kmくらい。
関東平野の西側の山を越えることはできず、関東はヒンヤリ曇り空、長野や山梨はアツアツ好天と対照的な天気になります。
今日も見事にそんな感じ。
ame-tem_20160705-1200ame-sun_20160705-1200vis_20160705-1200日本海にある前線の雲が混じって分かりにくいけど、赤線で囲ったくらいがオホーツク海高気圧による下層雲

登山にとってこの厚さ2kmというのはなんとも微妙な数字で、関東平野周りの山の標高を見ると、武尊山2158m、谷川岳1977m、赤城山1828m、榛名山1449m、甲武信ヶ岳2475m、丹沢山1567m。
1000台半ばの山じゃまず雲の下か中だけど、武尊山や谷川岳といった2000m級だとうまくいけば雲の上に出て壮大な雲海を眺めれるかも?甲武信ヶ岳ならまず大丈夫そう。そんな感じです。

今回は北東気流が比較的厚みがありそうな上に前線の雲も混じるのであまりいい条件じゃないけど
・関東が北海道~三陸沖に中心を持つ高気圧の縁になる
・関東の天気予報は曇り&気温低め、長野や山梨の予報は晴れ&気温高め
の条件が揃う日は、登山口がモヤモヤでも雲の上に抜ける期待を胸に登ってみてください。

ちなみに、そうやって登った2015/10/23の谷川岳。
山頂は惜しくもガスの中だったけど、新潟側(土樽側)に下ると滝雲を見ることができたんでまあ納得、そんな結果でした。
spas_20151023-0920151023tanigawa-2左が関東側、右が新潟側
20151023tanigawa-1茂倉新道から振り返った谷川岳。関東側の雲が新潟側にぎりぎりあふれ出てるのがよくわかる景色。

登る日の気象条件からどんな景色が見れるか予想する、というのも山の楽しみ方のひとつかと。
プランニングの際は、登山地図と一緒に天気図もお供にどうぞ。

20160529谷川岳

先に天気のことだけ春の高気圧その2に書いたけど、久しぶりのちゃんとした山歩きは近くて良い山、谷川岳。
西黒尾根から天神・田尻尾根とぐるっと歩いてきました。
ついでに、一度やってみたかった電車でアクセス&土合駅の駅野宿付きプランで。

土合駅に止まる最終列車が着くのは20:51。
“日本一のモグラ駅”で知られる土合駅、下り線ホームから改札口まではなんと階段500段弱!
登山客でにぎわってた昔は競い合って登ったらしいけど、このとき土合駅で降りたのは自分を含めてわずか2名。
なかなか雰囲気のある場所なんで、怖がりな人は1人じゃ行かないほうがいいかも?
20160529tanigawa_01
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せっせと階段を登って辿り着いた改札口前には先客の登山者が2パーティ。
ここで悲しい&情けなかったのが、バーナーを使っている登山者がいたこと。

この春、利用者(ほぼ登山者)のマナーが悪いため駅の待合室が閉鎖された。

JR土合駅 登山者愛用の待合室が閉鎖 宿泊者の火気使用相次ぎ「安全のため」@東京新聞2016/5/19

それでもなお火気厳禁といわれる中でバーナーを使うなんて…。
若い人が外で使っているなか、中年パーティのリーダー格と思われる人がそんなことをしている光景は非常に悲しいものだった。

この出来事を抜きにすれば、野宿する場所としては1等地。
建物の中だし、電気はあるし(明るすぎ?)、トイレも綺麗だし。
貨物列車が通過するたびに遠く離れた地下ホームから吹き込む風も面白いし、興味もった人は一度試してみる価値ありかと。
もちろんマナーは守った上でね!!
(駅舎内は火気厳禁、ゴミは持ち帰り)

土合駅の欠点としては、谷川岳ロープウェーの乗り場までちょっと距離があって歩くと15分くらいかかること。
車道歩くくらいなら山道歩きたい、って思うのは登山者の性ですな。
ロープウェー乗り場を通り過ぎてもうちょっと進んだところが西黒尾根の登山口。

尾根とはいっても樹林帯で見通しのきかない道をしばらく登ると、1時間半くらいで森林限界突破!
青い空をバックにそびえる岸壁と真っ白な雪渓、今回はこの景色が見たかった!!
よ~く見ると富士山もちょこっとお出まし♪
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そんな絶好の登山日和に感謝しつつ、登りきるのがもったいないくらい素敵な尾根を登ってく。

西黒尾根の後半は岩場がメインになってこんな鎖場もちょいちょい。
ボルダリングで遊んだ経験があるような人ならとっても楽しめるルートだと思うけど、体力と岩場スキルのどっちも不安があるような人は避けたほうが賢明かと。
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山頂近くのルート上にはまだ20メートルくらい雪が残ってたけど、さすがにカチコチになるような気温じゃないんで全然問題なし。
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双耳峰である谷川岳のチャームポイント、ネコ耳を目指して最後の上り坂。
このちょっと先でロープウェー利用のメインルート:天神尾根と合流して一気に賑やかになります。
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山頂付近からは万太郎山~仙ノ倉山~平標山へと続く稜線が見事。
この東西縦走や、土合から白毛門~朝日岳に登って谷川岳までグルッと一周ってのもいつかやってみたくなる。
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一ノ倉沢の岸壁にとりついてるクライマーもいたけど、そっちはぼくにはちょっと無理な世界。
こっちの岸壁をよく見たかったらオキノ耳のもうちょっと奥、浅間神社くらいまで行くと人も少なくてオススメです。
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山頂まわりで1時間くらいのんびりして、下りは登山者で賑わう天神尾根へ。
基本的に整備されてて、下半分は木道だけど上半分はちゃんと登山道。ちょっとした岩場もあるしそこそこ急坂なんで、ロープウェーあるから楽勝でしょ~なんて思ってると痛い目会うかも。
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まだ田尻尾根は歩いた事がなかったんで試しに使ってみたら…上半分は展望のない樹林帯で暑いし、下半分は重機も通る作業道。
次にこっち降りるときは素直にロープウェー使うことにします…。

こんな感じで久しぶりに山を満喫した谷川岳。
素敵な景色に出会えて、山と天気の神さまに心から感謝!

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