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寒空に捧げる反省文~2018/2/22&23~

ひんやり、しっとりだった昨日(22日)と今日(23日)の関東。
特に昨日はキャッチボールの準備してたら砲丸が飛んできたくらいの不意打ちっぷりだったんで、簡単に振り返り&反省の弁を…。

こちら、21日に作成された22日朝の予想天気図高気圧が張り出して関東はそこそこの天気に…と言いたくなるけど、北に偏って張り出す高気圧には要注意。
高気圧の縁辺を回り込む湿った北東~東風が入りやすくなり、数値モデルも表現しきらない思わぬ曇天を引き起こすかも、と警戒するのが予報担当の役目。

今回は関東から東に伸びるに赤線で書いた気圧の谷(下層シアー)も予想され、これはまず晴れないパターンだろう。
晴れるどころか弱いシトシト雨がしつこいはず。
そんな簡単にはだまされんぜ!

…と読み切った気分になってたのが21日のぼく。

そして22日の朝。

シトシトどころか普通に降ってる!?
そして予想以上に寒いっ!!

何事かと確認した衛星画像@ひまわりリアルタイム
そこで目にしたのは関東の沖合いで怪しげにまわる雲の塊…。

天気図的には前日の予想がほぼバッチリ。
ただし、関東沖の下層シアーには弱いながら小さな低気圧もどき(メソ擾乱)が顕在化。
こいつが予想以上にせっせと湿った東風を関東に送り込み続け、その結果しっかり雨&やたら寒い1日を作り出してくれました…。

沖合の雲域がやんわり渦を巻く様子はひまわりリアルタイムの動画で見るとわかりやすいです。

そして今日も午前中はしつこく北~東からの湿った風が残り、なかなか晴れないパターン。
2日続けて読み間違えてたまるかと気を付けて予想したけど、それでも天気の回復は遅れ気味。
しかも気象台によっては「今日こそはさっさと晴れるはずっ!」という想いを込めた予報を出して再び撃沈。
2日連続でハズレ感の強い結果になってしまいました…。

嫌がらせのように張り付く関東の下層雲。

あれ?こんな予報だっけ?と思ったときは衛星画像ウィンドプロファイラ@水戸で鉛直シアー(上層と下層の風のズレ)をチェック。
あ、この境目にやられたんだな、と頭を抱える予報官の姿を想像しながら空を眺めてやってください…

関東の「北東風 晴れ」予報には要注意

なが~い見事な秋雨がやっと一息ついた今日。太陽をちゃんと拝むのもホントに久しぶり。

「…って気分を今日の午後には味わえそうですよ」な雰囲気を醸し出してた昨日(17日)の天気予報。
実際にはどうだったかというと、確かに雨は昼頃で終わったけど午後もなかなか雲が取れずに日差しはおあずけ。
あれ?話が違うぞ…と思った人もいたんじゃないかと。

この17日夕方(16時)の雲を見ると、関東の南海上に広がるしっかりした雲と、関東平野に広がる少し不明瞭な雲に別れてました。

南の雲は前線に対応する厚い雲。関東平野の雲は地表付近の北東風と少し上空の空気の境目に広がる薄くて低い雲。

ここで大事なポイントは、南の雲は数値予報が表現するのが得意な雲で、関東平野の雲は数値予報の表現が甘い雲ってこと。

関東平野に北東風が入り込んでる時に、予想してなかった薄ぺっらい雲が広がるってのは関東の晴れ予報がハズレるときのお決まりパターンのひとつ。
担当者は北東風の存在&曇る可能性は把握した上で、北東風の強さや各層の湿り具合をチェックして「今回は素直に晴れるはずだ!」と決断しての晴れ予報。
…なんだけど、読みが外れることもしばしば。
今回もそんな典型例の1つでした。

南関東で「北東風&晴れ」な予報が出てるときは、ホントに晴れるかな~と空を見上げてもらうと天気を楽しめると思います。アメダス&衛星画像も合わせて使うと楽しさ倍増。

ちなみに、予報になかった北東風は天気も気温も大ハズレを告げる〝不吉の風〟。
少し前の10月11日は完膚なきまでに凹まされるこっちのパターンでした…。

涼しすぎるけど冷夏じゃない、かも?

結構暑かった7月から一転、グダグダな天気が続いてる8月の北~東日本。さすがに大きな影響出るんじゃないかってことで、気象庁から報道発表資料が出てきました。
平成29年(2017年)8月前半の北・東日本太平洋側の不順な天候及び沖縄・奄美の高温について@気象庁

いまどんな状況かは、この図がすべて。北海道から東北地方の太平洋側~関東にかけて、低温と日照の少なさが顕著です。ほんと、関東暮らしな自分も今月になってからまともに太陽を拝んでないような気が…。
夏の主役であるべき太平洋高気圧がサボってるのと、冷たい海に居座るオホーツク海高気圧から送り込まれるひんやり&しっとりな北東風が原因という解説も素直に納得できるかと。いわゆる“やませ”です。(関東地方だけで見るときは“北東気流”と表現することが多い)

でも、関東に住んでる人が「あれ?」と思いそうな資料も混じってたりします。
それはこちらのエリアごとの平均気温差。
これだけスッキリしない天気が続いといて、東日本の太平洋側では平年に比べてたった0.2℃低いだけ。
そんなバカな、もっと低いはずだ!なんて感じても不思議じゃありません。

これにはちょっと理由があって、気象庁が定義する「東日本の太平洋側」は「関東+甲信地方」ということ、そして“やませ”の特徴を知る必要があります。

“やませ”として北~北東から流れてくる冷たい空気は地上から1~2km程度の厚みしかなく、高い山は越えることができません。大きな影響が出るのは冷気がせき止められる北海道~本州の東側が中心で、特に日照時間の分布を見るとこのことがよく分かります。

ちょうど今日もそんな感じで、12時の衛星画像日照時間気温の分布がこちら。
東北地方の太平洋側から関東平野はペタッとした雲に覆われてくもり&気温低め。でも山を越えた先になる長野~山梨エリアは結構雲の隙間から日照があるし気温も高めになってます。
グズグズな関東から北アルプスに行ったら思った以上に天気が良くて幸せ~!!な人も結構いたんじゃないかなと。

「東日本の太平洋側」は「気温の低い関東」と「気温が高めの甲信」全体の平均。
このため関東の人は「もっと低いだろ~」と感じることに。逆に甲信の人は「そんなに低くないけど?」と思ってたりして。

ちなみに、気象庁が“冷夏”を判断するのは夏と定義してる6~8月全体の平均気温がどうだったか。
7月はかなり気温が高かったので冷夏と判断されるかはちょっと微妙なところ。
これだけ8月が涼しかったあとに「(平均すれば)平年並みの夏でした」と発表しようものなら問い合わせが殺到するのは目に見えてるので、担当部署の人はちょっとやりにくい思いをしてるかもしれません…。前3か月間の気温経過@気象庁より

そして、この先どうなるかもとっても気になるところ。今日発表の1ヶ月予報では、来週以降は気温が持ち直して夏の名残りくらいは楽しめるという予想。
そうなることを信じて夏らしい遊びができるのを待ちましょう!

天気予報と予報官の仕事

今日の関東は予報官殺し。
数値予報は「東側の低気圧から湿った北東風が続くけど日中は消散して晴れる&気温あがるよ~」と言うけれど、実際には下層雲がなかなかとれず晴れないし気温も上がらない。そんな典型的ハズレパターンのひとつ。
まあ今回はかなり下層の湿りがしっかりしてたので、分かりやすい方ではありました。

どんどん進歩して精度があがり続けてる数値予報だけど、やっぱり外れる時は外れる。そんなハズレパターンの匂いをできるだけ早く嗅ぎとって、いかに先読みして適切な予報を出していくか。
そのためには実況データと予測データの両方から気象現象を解析&理解する力が必要不可欠。
これがまだまだ人が天気予報に関わっていく必要がある理由のひとつだと思ってます。

ただし、数値予報がどんどん賢くなってるせいで実際に逆らうには相当な気合いと根拠が必要になりつつあるのも事実。
「こうなる気がするけどモデル(≒数値予報)通りになるとハズレ感が半端ないから折衷案のこの辺で…」→「やっぱりこうなったか…」なんてこともよくある話。
特に深読みしすぎてモデルに逆らった上で予報を外した後は、しばらく自分を信じるのが怖くなったりもします(涙)

そんなモデル変更恐怖症の最中でも目先の実況は間違いないわけだから、せめて実況にあった予報は出していくべきところ。 
…ではあるけど、細かい予報を出そうとするほど人が主観的に変更するのは作業的に厳しくなる。
実際、身の回りにあふれる天気予報の中にも、どう見ても人が触ってないよね、な予報があるのも事実。
たとえばこんな感じで…。
どこの予報会社とは言いませんが、いくら何でも人が介入してるなら今日の関東で「晴れ」はないだろうなと。(※分かりやすい例として拝借。手作業とみられる下の〝天気概況〟はちゃんとした内容でした。)

ただ、これはダメだろ!と糾弾だけする気にもなれなくて、今の数値予報の精度を勘案した上で限られた人と時間のリソースをどこに投入するか判断した結果なんだろうなと。
いわゆる〝天気予報〟は一番目につく存在だけど、それだけじゃなかなかお金に繋がらないのも難しいところ。
人とお金の削減の流れが止まらない気象庁にしたって、いつまで人が手間暇かけた天気予報が出せるのかと考えてみるととても他人事じゃないです。

とりあえず、世の中に出回る天気予報が全て人がしっかり介入してるわけじゃないことを知っておいてください。

特に〝山の天気予報〟っぽく見せてるサイトには、数値予報の解像度や精度、山の地形や天気の局地性などなどを全部無視して、単純に近くの数値予報の値だけを垂れ流してるようなとこも。
天気図などから広い範囲の大まかな雰囲気を把握した上で、あくまても参考程度に利用するのがオススメです。

じゃあどうやればいいの?をまとめようと思って始めたサイトなのに、全然取り組んでないなぁ…なんて反省も少し。
何を、どの順番で、どこまで学べばいいか。いざ作ろうとするとなかなか考えがまとまらないなぁと。
おいおいやってこうと思います。

オホーツク海高気圧と山の天気

今日の天気図の見所は台風…ではなく、オホーツク海に中心をもつ高気圧。
三陸から関東に向って高気圧の足が南にのびてます。
“オホーツク海高気圧”は春から夏にかけて現れる、その名の通りオホーツク海に中心を持つ高気圧で、特徴はひんやり&しっとり。
オホーツク海高気圧が張り出す領域は低くてペッタリした雲に覆われ、気温も上がらず、時にはシトシト雨も。
こんな天気をもたらすオホーツク海高気圧からの北~東よりの風を、東北地方では「やませ」、関東では北東気流なんて呼んだりします。

そしてもうひとつ大きな特徴が、背が低い(厚みが薄い)ということ。
関東に流れ込んでくるときのヒンヤリした空気の厚みはせいぜい2kmくらい。
関東平野の西側の山を越えることはできず、関東はヒンヤリ曇り空、長野や山梨はアツアツ好天と対照的な天気になります。
今日も見事にそんな感じ。
ame-tem_20160705-1200ame-sun_20160705-1200vis_20160705-1200日本海にある前線の雲が混じって分かりにくいけど、赤線で囲ったくらいがオホーツク海高気圧による下層雲

登山にとってこの厚さ2kmというのはなんとも微妙な数字で、関東平野周りの山の標高を見ると、武尊山2158m、谷川岳1977m、赤城山1828m、榛名山1449m、甲武信ヶ岳2475m、丹沢山1567m。
1000台半ばの山じゃまず雲の下か中だけど、武尊山や谷川岳といった2000m級だとうまくいけば雲の上に出て壮大な雲海を眺めれるかも?甲武信ヶ岳ならまず大丈夫そう。そんな感じです。

今回は北東気流が比較的厚みがありそうな上に前線の雲も混じるのであまりいい条件じゃないけど
・関東が北海道~三陸沖に中心を持つ高気圧の縁になる
・関東の天気予報は曇り&気温低め、長野や山梨の予報は晴れ&気温高め
の条件が揃う日は、登山口がモヤモヤでも雲の上に抜ける期待を胸に登ってみてください。

ちなみに、そうやって登った2015/10/23の谷川岳。
山頂は惜しくもガスの中だったけど、新潟側(土樽側)に下ると滝雲を見ることができたんでまあ納得、そんな結果でした。
spas_20151023-0920151023tanigawa-2左が関東側、右が新潟側
20151023tanigawa-1茂倉新道から振り返った谷川岳。関東側の雲が新潟側にぎりぎりあふれ出てるのがよくわかる景色。

登る日の気象条件からどんな景色が見れるか予想する、というのも山の楽しみ方のひとつかと。
プランニングの際は、登山地図と一緒に天気図もお供にどうぞ。