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風変わりな低気圧とひねくれた雨

今回は珍しいというか、ちょっと風変わりな低気圧が目についたのでメモ的な更新。

まずは昨日21日3時の天気図をどうぞ。
そして、1日以上たった今日22日12時の天気図がこちら。

注目して欲しいのが沖縄の近くにある低気圧。

発達するでもなく、動くでもなく。
お前、どうしたいんだ?と聞きたくなる変わらなさ。
ただボーっとそこにいる、そんな雰囲気です。

衛星画像でもあんまり低気圧としてのやる気は見られるず、だらだらと停滞するのみ。
こんな微妙な状態で維持されてる低気圧もちょっと珍しいかも。

まあ発達もしないし、大して悪さもしてないからほっとくか。

…で済ませられない気分なのが、宮崎県の人。

高気圧の縁に沿って前線から続く湿った空気が東から流れ込み、低気圧が九州の東海岸に押し付けるアシストをする形。
これが昨日からず〜っと続き、宮崎ではだらだらと雨が降り続いてます。

しかもこの湿った東風による雨。
かなり背の低い湿った空気による雨で、レーダーには映ってなかったりします。
関東で北東~東から湿った風が入ったときに降る雨と似たような感じ。22日12時の高解像度降水ナウキャスト

そして背が低いためこの雲&雨は九州の真ん中でブロック。
熊本や鹿児島西部の人はまずまずな天気なのも宮崎的には悔しいところ。

熊:ちょっと雲多いけどまずまずの天気だよね〜
宮:アホォ!こっちはずっと雨降っとるわい!
熊:またまたぁ。レーダー映ってないじゃん。
宮:ホンマや…。でもアメダス見てみぃや!

…的なやりとりを西と東でしてたりして。

だらだら続くこのひねくれた雨。
次の低気圧&前線が通過してガラッと空気が入れ替わるまでもう少し続きそう。

止まない雨はないけど、止みにくい雨はある。

宮崎の人は太陽を拝むまでもう少しお待ちください…。

やまない雨はない。でも、しつこい雨はある。

昨日、3月9日夜の関東の雨。
オホーツク海&本州の東海上の南北・低気圧コンビから伸びる前線はゆっくりと東へ進み、関東地方の雨は日付が変わる頃にはだいたい抜けていく・・・はずでした。

ところが、雨はしつこく残り日付を越えてなお強まる始末。なかなかのハズレっぷりでした・・・。

高解像度降水ナウキャストより

このしつこい雨の原因となったのは、西から進む明瞭なトラフ。
そして、このトラフに捕まってしまった本州東海上の低気圧。9日21時の衛星画像(水蒸気&赤外)

どう予想がズレてしまったのかは天気図からも読み取ることができます。

こちら、9日21時を予想した予想天気図。

そして、こっちが実際に解析して作成された天気図。

日本の東側に南北に連なる低気圧&前線。西は大陸から張り出しつつある高気圧、という全体的な絵柄はそんなに変わらない。

でも、関東地方周辺に着目して比べると大きな違いが。
低気圧の位置は予想よりも南側にとどまり、さらに低気圧から関東地方にのびる気圧の谷(赤点線)。
この気圧の谷は北寄りの風と西寄りの風が接する境目(シアー)になっていて、トラフに反応してこのシアーから北側に雨域が広がる。
そんな構造になってました。

さっさと低気圧やシアーが東に進めば雨は終わり。
でも、移動が遅れるとトラフに捕まって長引く&強まることに。
こうしたちょっとしたタイミングのズレが大きく結果を左右することが時々あります。

ちょっと長引くかもなぁとは感じつつ、ビシッと予測するのはなかなか難しい事例でした…。

等圧線(補助線)ノススメ

明日の関東は1日中つめた~い雨の予想。どのくらい寒いかというと予想気温はこんな感じ。

平地じゃさすがに雨が濃厚だけど、標高が1000mもあればしっかり雪になりそうな低温っぷり。
これは降り終わったら近場の山へ行きたいとこだけど、天気がちゃんと回復するのは28日になってから。今回は寒さに加えて天気の崩れが長いのが特徴です。

雨が降り出してる(はずの)26日朝の予想天気図がこちら。ありゃ?雨が降るのにずいぶん低気圧が遠いなぁ… ってのが今回の天気のツボ。

今日の衛星画像を見ると、まだ九州の南にいる低気圧とは離れた本州の南にもまとまった雲域が。今の天気図からはこの雲域の存在はちょっと読み取れないけど、確かにここには何かある。

この雲域は下層のシアー(風の境界)に対応してて、まだ地味だけどこれからの天気には非常に重要な存在。
改めて26日朝の予想天気図を見てみると、関東の近くで意味ありげな等圧線の凹みが描かれてるのがわかるかと。

天気図の等圧線は4hPaごとに実線で書くのが基本で、スケールが小さかったりまだ顕在化してないと4hPa線だけでは表現できない。
でも、今ココにあるモノを伝えたいのっ!!という天気図描きの想いが溢れると2hPa間隔の破線(補助線)が登場します。
今回みたいな〝無くてもいいように見える〟補助線は、高気圧や低気圧の中心まわりにある補助線とちょっと重みが違う。

今回は、低気圧とは離れたとこにシアーがあるんだよ。これが先に雨を降らせて、そのあとに遅れて低気圧本体が来るから雨が長引くんだよ。そんなメッセージが込められた補助線だったんだろうなと。

天気図に補助線を見つけたら、なんでその補助線を描いたのか想像すると天気図の楽しみ方を広げてくれると思います。
天気図描きには「等圧線を書くんじゃない。天気図を描くんだ。」という名言?迷言?も伝わってるとか。
ぜひその熱い想いを読みとってみてください。

低気圧、できる?できない?

今日明日の天気予報でとっても頭を悩ませるのが、14日に本州のすぐ近くでできるかもしれない低気圧。
今のところ予想天気図ではぼんやりと等圧線の凹みだけ書かれてる緑枠のあたりです。

数値モデルさんは下層の暖湿気が入るし、循環もそれなりにハッキリすると主張してらっしゃる。

でもでも。上層の流れとの対応が非常によろしくない!

日本海の低気圧(青枠)とちょっと南側の低気圧(赤枠)は、上層のトラフと下層の暖湿気がバッチリ手を結んで文句なしの低気圧として採用。
さて、それじゃ緑枠をどうしてくれようか・・・。
ホントにできるの?できるとしたらどのくらいハッキリするの?
お前がどうなるかで関東の天気が全然違うんだけど!!
そんな葛藤が今日の予想天気図には込められてます。

こういった下層の暖湿気が中心としてできる低気圧(低圧部含む)は場所や発達具合の予想がなかなか難しく、天気予報が外れる元にもなる嫌なやつ。

そんなモヤモヤをかかえた14日のあと、ちょっと遅れてやってくる紫色のトラフが追いつくと低気圧はひとまとめにグリグリ発達。
メリハリのある分かりやすい気圧配置になる予想です。

こいつはこいつでどこまで本州に近づくか、どこまで北から寒気を引きずり込むかで判断が悩ましいところ。
もしかすると15日に関東で雪が降ったりするかもしれないけど、今の段階だと可能性があるかも、としか言いようがない状況。

これから数日は天気図と予報がどう変わっていくか、そしてどんな結果になるかを楽しんでください。

予報がハッキリしてくれなきゃ困る!という人には申し訳ないけど、こんなときは不確実性が大きくなるのは今の予報技術の限界としか言いようがないです・・・。

天気図の「低」はなに?

いきなりクイズ。
昨日(7/22)の18時と21時の天気図で大きく変わったのはどこでしょう?

spas_20160722-18spas_20160722-21

正解は…太平洋にある「低」が「熱低」になりました!
(その上の小さな「低」も消えたけど、こっちは重要じゃないんでスルーで)

それでは続いて第2問。
「低」が「熱低」に変わった、その意味は?

えーと、「低」は普通の低気圧(温帯低気圧)、「熱低」 は熱帯低気圧だから…低気圧が熱帯低気圧に変わった!

と思った人がひとりでもいてくれれば今回のネタを書いた意味ありです。

18時の「低」をよく見ると、低気圧にはあるはずの何かが足りません。
それは、低気圧の中心を示す「×」です。

今回の「低」、実は低気圧ではなく「低圧部」を示すマークでした。
周りに比べて気圧が低いし雲もしっかりある。でも中心がハッキリしない…な時に登場するのが低圧部。
見分けるポイントは中心「×」があるかどうかです。

というわけで、今回のクイズの正解は
「モヤモヤしてた低圧部の中心がハッキリして熱帯低気圧としてリニューアルした」
でした。

この熱帯低気圧、この先さらに発達して明日朝には台風になるかもという予報も出てきました。 台風情報@気象庁

もし台風になったとしてもまず日本に影響はない場所なので、安心して中心がどこか探してみてください。
発達初期の熱帯低気圧や台風の中心を決めるのは結構難しい作業です…。
気象庁の衛生画像だとかなり端っこ。
じっくり眺めるにはひまわりリアルタイムWebからどうぞ。
vis_20160723-1500

春は砂の季節

春のイヤな風物詩といえば、花粉と黄砂(ぼくにとってはですが)。
花粉の方はだいぶ落ちついてきたみたいだけど、黄砂はまだまだハイシーズン。
今日の衛星画像を見ると、大陸に怪しい茶色い影が・・・(赤丸のとこ)。
vis_201605051500衛星画像@気象庁

大陸で発生・発達した低気圧が砂漠の砂を巻き上げ、はるばる日本まで風で流されてきたものが黄砂。
今回も天気図を見ると、大陸の低気圧(赤丸)が黄砂を巻き上げているのがよくわかります。
spas_20160505-1500天気図@気象庁

巻き上げられた砂は風にのって流れてくるのでいつどこに来るかはある程度予測ができ、気象庁も予測を公開してます。黄砂情報(予測図)

一番難しいのは最初の「どのくらい巻き上がるか」の部分で、巻き上がってしまえばそれなりの精度があるので黄砂が気になる人はちょくちょくチェックしてみてください。

ちなみに今回は、7日あたりに広く日本に届く、かも。といった予想。
お天気としては、7日は日中に寒冷前線が通過して広い範囲で雨、その後は次第に天気が回復する予想。
7日の午後、晴れてきたのになんか空がすっきりしないなぁ、なんてことがあればそれは黄砂かもしれません。
sand-for_201605071500
fsas_20160507-0900