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昭和基地ってこんなとこ(気候編その1)

ついに5月末から始まった極地の夜、極夜。
太陽が約1ヶ月半の長期休暇に入り、次に会えるのは7月中旬になってから。

“極夜”とは言っても一日中真っ暗なわけじゃなく、今だと真昼でこのくらいの明るさ。

真昼には太陽が地平線ギリギリの惜しいとこまで来てるんで、ほぼ夜明け直前。
もっとも天気が悪い日が多すぎて実際にはもっと暗い日が多いんだけど。

せっかく極夜が始まったんで(?)今回は昭和基地の気候についてザっとまとめてみました。
ホントは出発前か到着直後に書こうとしてたネタが今さらの登場です…。

南極と言えば寒い!ってことでまずは気温。
こちら、昭和基地の最高&最低気温と日照時間のグラフ。
南半球にある南極は北半球の日本と季節が逆。
日本がいま夏に向かってどんどん暑くなってるのと反対で、昭和基地は冬に向けてどんどん寒くなってる最中。

夏の昭和基地はあったかい日で日中の気温がちょっとプラスになるくらい。
だいたい札幌の冬と同じような感覚です。

そして冬に向かってグイグイと気温が下がり、真冬の8月には“平均的な最低気温”で-25℃近く。
寒い日は-30~40℃くらいになります。

そんな厳冬期のちょっと前、冬至(日本じゃ夏至)まわりで太陽が全くでないのがちょうど今、極夜の時期。
地球が南半球を太陽と反対側に向けてるせいで南端にはどうやっても太陽が当たらない状態です。
暦wiki@国立天文台より引用

実際に“ひまわり”から6月後半の地球全体を眺めてみると、ごく細い領域だけど北極付近は1日中明るく、南極付近は1日中暗いままなのが見えたりします。
ひまわりリアルタイムWEBから2018年6月23日の地球の様子。

それじゃ昭和基地で1年を通していつどんな明るさかってのを図にしたのがこちら。
横軸が月、縦軸が時。何月の何時でこんな明るさ、と見てください。
いま、極夜の時期は昼前後の数時間が薄明るいだけで1日のほとんどが夜。
屋外に出るにはヘッドライトが手放せない生活です。

逆に夏の白夜では太陽が出っぱなし。
昭和基地に到着した12月末は夜9時でもこんな空でした。
あぁ、青空が懐かしい…。

でも、極夜は夜が長くても星空とオーロラに感動する日々!
…なんて夢見てたけど、週に一度も晴れる日がないくらいの悪天&曇天っぷり。
前回のブログネタ5/26の次に星空を満喫できる日はいつになるのやら。

そんなモヤモヤを吹き飛ばすべく、ただいませっせと極夜の祭典“ミッドウィンターフェスティバル”の準備中。
南極のいろんな基地でやってる、極夜を楽しもうぜヒャッハー!な気分になるためのお祭り騒ぎ。
仕事にたっぷりイベントを重ねるもんだから自分の首を絞めてるような気がしてならないけど、せっかくなんで色々楽しんどきます!

最後に。
今回作ったグラフの元データは気象庁の過去の気象データ検索で見たり、過去の地点気象データ・ダウンロードでごそっと取ってくることが可能。
ちゃんと南極も選べるんで気が向いたら覗いてやってください。※全天日射量の図は複数年の時別データからmax値を取るってな加工をしてます

宇宙から見る関東の大雪

1/17夜から1/18朝にかけて関東で大雪になって世の中を騒がせたのは皆さまご存知の通り。
どこにどのくらい積もったのか知りたくなるのがお天気好きの性だけど、悲しいことにあまり雪が降らない関東には気象庁のアメダス積雪計はポツポツとしかありません。
amedas-snow_201601180600

リアルタイムだとウェザーニュースのウェザーリポートが楽しいけど、後から見れないのがちょっと残念。
そこで、積もった深さが分かるわけじゃないけど、どこに積もったがよくわかる資料のご紹介です。

まずは気象衛星ひまわり
vis_20160119113000

可視画像を動画で流すと、関東平野に全く動かない怪しい白い影が。
霧もほとんど動かないけど、ここまで全く変化がないってこともない。
これはきっと雪だ!
でも、悲しいかな気象庁サイトに掲載されてる解像度だと拡大してもよくわからない。

そこで衛星好きにオススメなのがNICTのひまわり8号リアルタイムWeb
ひまわりのフルディスク画像をほぼリアルタイム&高解像度で見れる素敵すぎるサイトです。

hima-web_20160119-1200

これならかなりクッキリ!
宇宙から見たらこんな感じと思うとぜひ一度は生で見たくなる。

さらに、ひまわりよりさらに細かい解像度250mメッシュを誇るMODIS@JAXAをチェックしてみると…

modis-tokyo_201601191040

高解像度と見たいものを見やすく波長帯&配色を調整してるMODIS画像では関東平野の積雪状況が本当にくっきり!
群馬と栃木から関東南部にかけて帯状の積雪域があるのがよ~く分かります。
なんでこんなV字型の分布になったか、その理由はgoogleマップの地形から探ることができます。
kanto-map

雪は標高の高いところじゃなくて、むしろ標高の低い川沿いな分布。
これは地表付近に溜まった冷たくて重い空気、“滞留寒気”(滞留冷気とも)の仕業です。
夜間&降水で冷えた空気が地表付近に溜まり、その冷たい空気がある場所では雪が解けずに雪のまま降ることに。
そして、関東平野の東側で全然雪が積もってないのは比較的暖かい海からの北東風が入ってたから。
海風がはいる場所だと雪は落ちてくる途中で解けて雨になっちゃいます。
東京~横浜の沿岸部も少し積もってたはずだけど今日の南風で溶けたかな?
都市部過ぎて分かりにくいって理由もあるかもしれないけど。

関東の雪予想ではこの滞留寒気ができるかどうか、そしてどれだけ広がるかの判断が非常に重要だけど、ここが猛烈に予想が難しいポイントです。
素直な感触として、予想が当たるとホッとするくらいの難易度。
今回の大雪でも朝起きて雪が積もってるのを見たとき「よっしゃ!」と思いました(笑)

関東の大雪予報の難しさについては、気象庁サイトの予報が難しい現象について(太平洋側の大雪)にまとめてあるんで細かく知りたい方はぜひどうぞ。

言い訳っぽくなるけど、関東の大雪予報がピタッと当たらないのは今の天気予報技術の限界です。
気象庁やテレビの天気予報で「関東で大雪になるかも」という情報を見たら、とりあえず備える。
もし降らなくても「今回はラッキーだったな」と思ってもらえればありがたいです。

逆に「今回は大丈夫なはず」で大雪になった場合は…反省しつつしっかり解析&振り返って次に活かすんでご容赦を!